💗 梨花 - ちも
💛 澪 - 李煌
💙 まどか - 悧莎
「ねーねーそこのおばさん」
「え? おばさ・・・!?」
(なにこの子・・・。あ、たまに来るバイトの子だ。なんか派手だなあ、苦手なタイプ)
「もしかしてさー・・・。昨日掲示板に晒されてた、性悪歌い手女さんじゃない?」
「!!?」
「あはーやっぱそっくりー! 今は前髪で顔隠してるみたいだけど、雰囲気もパーツ配置もまんま同一人物じゃん!」
「な、なんで知ってっ・・・!?」
「いやあんだけぶっ叩かれてたら見ないわけないでしょ。しかも結構見たらすぐわかるよ」
「・・・」
「てかその反応、会社の誰にもバレてないの? こんなにわかりやすいのに?」
「・・・はい」
「へぇ~・・・。じゃあ私がバラしたら、おばさん終わっちゃうね」
「!? そ、それだけはっ__」
「イヤだよねー! あはは、おばさん必死~! じゃあ、いっこだけ条件あげる。これに従ってくれたら言わないであげるよ」
「・・・なんですか」
「私が組んでる歌い手ユニットに、入って」
「__え?」
「おばさんの歌、ムカつくけどそこそこよかったし。そこそこね」
「あ、ありがとうございます・・・。でもそんな急に言われても」
「逆らえると思ってるの? えへへ、社員さーん! 実はこの人ネットで胸寄せて配信してますよー!」
「ちょ、ちょっとっ!」
「アハハ! じゃあ決まりね。はいおばさん、このQRコード読み込んで。わたしのLINE」
「・・・はい」
「はーい、ありがと~! じゃあ後で連絡するわ」
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━
【梨花 さんがグループに参加しました】
<「あ、おばさんやっほー」
<「・・・」
<「おい無視すんなー? 既読ついてるじゃん」
<「・・・こんばんは」
<「ねぇ、私たちのユニットの歌みた、どれ聴いた?」
<「一番伸びてたやつ」
<「あー、あれか。てか全部聴けよ」
<「澪。次出す動画、何歌う?」
<「まどか急にどした? あー、せっかくカワボ入ったし、可愛い寄りの曲」
<「今までそんなのやったことないじゃん。わざわざ変える必要ある? それよりもさー、」
<「たまには媚びたほうが伸びるっしょ。とりあえず曲考えてくるわ」
<「・・・あっそ。行ってらっしゃい」
<「あーい」
<「・・・」
<「・・・」
<「・・・あのさあ」
<「はい」
<「こっぱずかしい配信してるようなしょーもない男に五股かけてる疑惑がある女が、2年も二人きりでやってきたユニットに突然入れられることになった私の気持ち、わかる?」
<「・・・私に対しての疑惑は誤解しかないですけど、心中お察しします」
<「は? わかった面しないで」
<「(はぁ・・・?)」
<「とにかく! 澪は言い出したら止まんないアレだから入っちゃったことはもうしょうがないけど、私はアンタを絶対認めないし、とっとと出てってもらうから。声合わせたりも歌い方馴染ませたりも、ぜっっったいに、しないから」
<「そ、そうですか・・・」
<「なんの話してんのー? はい、曲これねー。一週間後までには録音提出してねー」
<「おけ」
<「一週間!?」
<「うん、なに?」
<「あ・・・いや、いいです。できます」
<「おけー。よろ!」
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━
「・・・ふぁーい?」
「やっほー。入るよー」
「わあまどかじゃん、なんで家来た? まあいいや。どぞー」
「・・・うわ。部屋きったな・・・」
「最近まどかが掃除しに来てくんないからじゃん」
「・・・もう。しょうがないなあ」
「で? なんかあった?」
「大ありだけど? なにあの女、生意気なんだけど」
「え~? まどかも大概だよ」
「は? ぽっと出の女と一緒にしないで」
「ははは。まあ落ち着きなって。あいつの録音音源聴いた?」
「・・・聴いた」
「ど?」
「まあ、あー・・・。歌い手にしては、それも加工前にしては、そこそこ悪くないけど」
「はーん、悪くない、ねぇ。まどかちゃんってば素直じゃないんだから~」
「だからってうちらのユニットに入れるほどじゃなかったんじゃないの? ずっと二人でやってきたのに」
「いやあいつ居たほうが伸びるっしょ。弱みも握ったしちょうどよかったんだよねー」
「伸びるとか伸びないとかどうでもいいもん! 私は澪と二人がよかったの」
「えー? 早く一万人いきて~って言ってたの、まどかもっしょ」
「それは二人での話だもん! 私はっ__」
「あ、なんか蕎麦食いたい。買ってたっけ」
「・・・は?」
「ねー、あたし蕎麦買った? 覚えてるわけないよね、戸棚確認すっかあ」
「・・・一番最近の買い物では、カップラーメンしか買ってなかったでしょ」
「うわそうだった最悪。一緒に買いに行こ~」
「・・・はいはい。はぁ」
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━
「ちょっと、ゴミはちゃんと捨ててね」
「ふぉーい」
「起き上がろうともしないし。絶対捨てないじゃん…。しょうがないなあ」
「えへへ~…。ん?」
「そんなんでよく一人暮らししようと思ったよね。私が愛想尽かしたらどーするのさ」
「んんん?」
「まあ尽かすわけないけどね…。なんだかんだ言ってこの生活好きだし」
「んんんんんー--!? ちょっとまどか、ヤバい!」
「うわ何!? 急に抱き着いてこないでよ…っ。てか起き上がれるんならゴミ捨てやってよね!?」
「それどころじゃない! これ!」
「な、なに? …昨日私たちが上げた動画?」
「そ、もんだいガールの歌ってみた。再生数見て!」
「再生数? 普段は一日で5000いけばいいほうだけど…」
「…え?」
「一日で3万いってんの! やばいよこれ、コメントもめっちゃ多いし!」
「さ、さんまん…」
「やっぱ媚びたほうが伸びるんだって! あ、梨花にも連絡しよ」
「…」
「もしもしー、梨花? 今何してんの?」
「え、電話なの!?」
『し、仕事中だよ…どうしたの?』
「仕事中? ふーん。それよりこの間上げたもんだいガール、めっちゃ伸びてるよ! 見た!?」
『見た、けど…。たしかに今まで二人が上げてたのよりは伸びてるね』
「っ…」
「それなー!? まじ梨花が入ってくれたおかげだよ、ありがとー! じゃあ切るわ。またねー」
『え!? ちょっと、それだけのためにわざわざ電__』
「…いやあ、最高のメンバーを加入させちゃったなあ! これからも頑張ろうねー、まどか!」
「…」
「まどか?」
「…うん。二人で、頑張ろうね」
#きゃりーぱみゅぱみゅ #もんだいガール #中田ヤスタカ #伴奏
Comment
No Comments Yet.