『
拝啓
澄み切った青空の太陽が微笑む今日このごろ,お元気でお過ごしでしょうか。
今,私は一通の招待状を手にしています。
初めての自分宛の手紙です。
この招待状が私にどんな景色を見せてくれるのかと考えると
幸せな期待と少しの苦い不安が胸の内に広がります。
けれど,私はもう振り返りません。
1つ小さな決意をしたのです。
それは________,
私は私の出来る事を,ウィックと一緒に精一杯頑張るのみです。
この手紙を読んで下さった貴方へ最大の感謝と敬意を。
好天の季節に,皆様のご多幸をお祈りいたします。
敬具
ポストマン ビクター・グランツ
』
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 ̄ ウ ミ ユ リ 海 底 譚  ̄
待ってわかってよなんでもないから
僕の歌を笑わないで
空中散歩のSOS僕は、僕は、僕は
『初めて自分宛の手紙を受け取った時,僕は確信した。
この手紙は間違いなく,計り知れない誠意に満ちている。』
今、灰に塗れてく海の底
息を飲み干す夢を見た
ただ、揺らぎの中、空を眺める
僕の手を遮った夢の跡が
君の嗚咽が、吐き出せない
泡沫の庭の隅を
光の泳ぐ、空にさざめく、文字の奥
波の狭間で、君が遠のいただけ
「なんて」
もっと縋ってよ知ってしまうから
僕の歌を笑わないで
海中列車に遠のいた涙なんて、なんて
取り去ってしまってよ行ってしまうなら
君はここに戻らないで
空中散歩と四拍子、僕は、僕は、僕は
『あ,そろそろ配達の時間だ。さぁ,ウィック,行こう!
今日も皆の為に頑張らないと!』
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