妖はやがて氏神へ 【和風】【朗読】【声劇】【和風台本】
店主 『光』
妖はやがて氏神へ 【和風】【朗読】【声劇】【和風台本】
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無理してる人!!
いらっしゃい。
…………ん?
アンタ、どっかで見た顔だねぇ。
……あぁそうだ、そうだよ。
随分(ずいぶん)前に ここへ面(めん)を買いに来た人間じゃないか。
どうだい?妖の冥土は。
毎日が祭り騒(さわ)ぎのように賑(にぎ)やかだろう?
ふふっ
その狐面(きつねめん)も、よーく似合ってるじゃないか。
どれ、自分の面(つら)を鏡で見てご覧よ。
ははは!
豆鉄砲(まめでっぽう)食(く)らったような顔だね!
そうさ
アンタはもう、立派な狐の妖(あやかし)なんだ。
もうじき、黄金色(こがねいろ)の尾が生(は)え揃(そろ)うよ。
そうだ
ちょうど人間の現世(うつしよ)で社(やしろ)に空(あ)きが出た場所があるんだ。
アンタ、そこで土着神(どちゃくしん)にでもなったらどうだい?
なぁに、ほんの少しばかり人間に力を貸してやりゃあいいのさ。
そうすれば寝床(ねどこ)と食いもんには困らないだろうからね。
さあ!そうと決まれば行ってきな!
現世(うつしよ)へはこの店の横にある、細い路地裏(ろじうら)の坂を下れば着くさ。
(不敵な笑みを浮かべて)
上手くやるんだよ。
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