声劇 冷える浴槽
台本:あいざわ 読み手:有田 ゐる
声劇 冷える浴槽
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....ああ、はい。
浴槽に沈めました。
そんなに怒鳴らないでくださいよ。
鼓膜が破れてしまいます。
なんでって。
あの子が望んだことだから。
....ふふっ.....あははっ....
そう、それですよ。
貴方のそれ。
彼女は苦しんでいました。
貴方みたいな
「女同士の恋人はおかしい」って考える人が
怖くて仕方ないって。
私は気にしなかったけど。
だって、
あの子の傍にいるだけで幸せでしたから。
でもね、あの子は違ったの。
周りの目をよく気にして、怖がってた。
まるで世界に
私しか味方が居ないみたいに。
可愛いでしょう?
だから、浴槽に沈めました。
この世界に嘆いていたから。
あの子ったら、
ある時私にこう言ったんです。
「何も気にせず一緒にいられない
この世界はいらない」って。
私は彼女が大好きですから、
望むことは何でもしてあげたい。
だから、沈めたのです。
_「終わらせてほしい」って、そう言ったから。
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