Encounter with the unknown will change your world.
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私立 桜良坂学園。
中高一貫で通う子が多い女子校だけど、私みたいな高校入学組もそれなりに居る。
いつもは邪魔だから、と縛っている髪も、今日はお母さんにやたら勧められて、おろしてきた。
夜の影のような、深い群青。
(「変に見られてないかな……高校デビュー、とか、浮かれてる、とかって思われてないかな……」)
正門前にはクラスが貼り出されていて、ちょっとした人だかりが出来ていた。
やっぱり中等部からの付き合いの子達が多いんだろう。仲睦まじそうな子達が多いのを見ると、ぎゅっと胸が縮こまる。
人波を掻き分けられる度胸は無かったので、遠目から自分の名前を探す。
朝宮、安藤、井口、……
「えっと、星影……星影 泪……______あった」
……私は1年C組、か。
どんな子達が居るんだろう。
不安半分、期待半分。
まだ硬い新品の革鞄をしっかりと握り締めて、桜舞い散る正門を通り抜けた。
☪︎
*
。
꙳
「はぁ……」
入学式から数日が経った。
浮かれていたあの日の気持ちは何処へやら、未だにクラスに馴染めずにいた。
やっぱり中高一貫ってすごい。ほとんどの子達が顔見知りで、そこに入っていく隙が本当に無い。
……このままじゃ、ぼっち街道まっしぐらだ。
わざわざ同じ中学の子が居ない学校を選んだから、前からの知り合いも居ない。
「今日も1人、かぁ」
……他の子達は、放課後遊びに行ったり、どこかへ出掛けたり……そんな話も沢山小耳に挟むようになった。
中学の頃からずっと、そういうことに対する憧れはあった。けれどそんな友達は中学でもおらず、私の友達は______
「……やっぱり、君だけだよ」
勉強机の横に置かれている黒いソフトケース。
ベッドに腰掛けながらおもむろに取って開ければ、昔からの私の友達______アコースティックギターがその顔を見せた。
「ふふ、お前もいずれ学校に連れて行けたらいいんだけどね」
しかし初日からアコギを背負って登校してくる新顔……悪目立ちするに決まっていた。
「……ごめんね」
私には、その視線を跳ね除けるだけの度胸は無かった。
☪︎
*
。
꙳
気付けば部屋は暗くなっていた。
いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
「もうこんな時間?今何時……」
そこでふと気付いた。
「え……?ここ、どこ……?」
時間を確認しようと、スマホを投げ出したあたりに目を向けると、そこは見慣れたベッドではなく木目の床。
慌てて起き上がり辺りを見回すと、
「なに……ここ……」
小さな日本家屋の縁側。
鈴虫か何かの虫の音が響き、庭の草木が風に揺れて笑い、深く高い空には白い月が凛と佇んでいた。
「なんで……私、自分の部屋に居たはずなのに……」
「よく来たね、泪」
突然名前を呼ばれ、反射的に声______いや、音のした方振り返る。
「待ちくたびれた。だけど、思ったよりは早かった」
「え……?誰、なの……?」
光の無い紅い瞳が、こっちを見ていた。
ひとつに括られた髪はさわさわと風になびく。木の陰から出てきて月光に照らされたことで、やっとその髪が鮮やかな空色をしていることに気付いた。
その少女は、数歩私の方に歩み寄り、近づきすぎない距離で止まった。
私の質問はまるきり無視で、ハッキリとした音で言った。
「ようこそ、星影 泪」
何と言えばいいのか分からないけど、とても綺麗だった。いつの間にか魅入られてしまっていた。
月明かりに照らされて、鋭く無機質な音がこの空間に響き渡っていく。
「何で……私の名前を知ってるの……」
「いずれまた会うことになる。今はまだ、時期尚早だったみたい。 今日は帰った方がいい」
「質問の答えになって…______!?」
瞬間、周りがキラキラと光り始めた。
蛍のような光の粒が私を包む。
「待って!何が起こってるの……!?」
混乱する私の周りは段々白くなっていく。景色が光に埋もれて見えなくなっていく。______あの女の子も。
完全に何も見えなくなった瞬間、鋭い音が私の耳を突き刺した。
「必ず、会いに来て」
☪︎
*
。
꙳
「______!!!」
目が覚めた時には、見慣れた天井といつもの匂いが私を包んでいた。
「……私の部屋、だ」
真っ暗な部屋の中で、私とアコギが揃ってベッドに寝ていたようだった。
スマホを手探りで見つけて時間を見ようとしたけど、音楽でも流しっぱなしにしていたのか、いつの間にか電源が切れていた。
「……夢?」
夢にしては、あまりにもリアルだった。
吹き抜ける風、草木の匂い、高く澄んだ空とひんやりと肌を撫でる空気。
そして……耳に残って離れない"あの音"も。
「泪ー?ご飯出来てるわよー!早く降りてらっしゃい」
「あ……すぐ行く!」
そう言えば制服のままだったことを思い出し、このままだと怒られるので急いで部屋着に着替えて部屋を出る。
(「あの子……泣いてた……?」)
"鋭い"、"無機質"______そう感じたはずなのに……不思議とあの音は痛くなかった。
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☪︎*。꙳ Lyric ☀︎.°۞
🌒???
💫泪
🌕All
💫ねえニア 誰かを笑い飛ばさなきゃ
自分を許せないような
くだらない人間のこと キミはどう思う?
🌕ねえニア
🌒他人の歩幅を眺めて 意味もなく駆け足になる
つまらない人間のこと キミはどう思う? ねぇニア
🌕ねえニア
💫笑顔で過ごす日々を 当たり前と思うような
傲慢な人間のこと キミはどう思う?
🌒「カタチのないフタシカナモノはいつだって
ケイサンをクルワセテしまうの」
💫だけど
🌕ああ 僕はまだ 信じてる
ココロないキミに問いかけたのは
キミの手が僕よりも
あたたかかったからさ
゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚
🌕???
🌒???…cv.香流 紫月
https://nana-music.com/users/4498153
💫星影 泪…cv.Klavi
https://nana-music.com/users/10085527
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☪︎*。꙳ Playlist ☀︎.°۞
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https://nana-music.com/playlists/3736390
🌕
https://nana-music.com/playlists/3736391
Other
https://nana-music.com/playlists/3736392
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#Project_SDs #スタドロ #星影泪
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#ニア #ピアノ #夏代孝明 #ボカロ #VOCALOID
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