第1話 邂逅(中編②)
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第1話 邂逅(中編②)
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中編②
ウィリアム「いらっしゃい!君も初めましてだね!…ところで、イリスとはどういう関係なんだい?」
ウィリアムは気さくなように見えて、目の前のこの男を警戒していた
本能が、彼を危険だと知らせるからだ
イリス「え?」
今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気に、イリスは驚く
オリヴァー「君に言う必要があるの?」
イリス「あの…」
ウィリアム「あぁ、ごめんね!気になってしまったからつい。それに、イリスにとって危険なら、君を遠ざける必要もあるかもしれないし。」
オリヴァー「(ため息をつき)……この子は、大事な友人の妹。訳あって、生活をサポートしてるんだ。」
僅かに呆れたような声色で彼は告げる
ウィリアム「あ!もしかして!アリスちゃんの目をロマンチックに褒めてくれた人!?わー!君だったんだね!よかった!これで遠慮なくアリスちゃんを呼べるね!」
ウィリアムはあっという間に警戒心を解き、連絡をするべく、奥に引っ込んだ。スキップをするように。そんな陽気な彼の後ろ姿を最後まで見送ることなく、オリヴァーはため息をつき
オリヴァー「………イリス?」
イリスを意味あり気に見やる。彼が友人との思い出を知っていることの答えがそれだ
イリス「ごめんなさい………お姉ちゃんに会いたくて」
オリヴァー「……そうならそうと言ってくれ。」
予想外の答えにイリスは思わず固まる
イリス「え?」
オリヴァー「毎日という訳にはいかないけど、いずれ、会わせるつもりだった。」
イリス「…!」
だんだん現実味を帯びてくる
彼の口からそれを聞ける時が来るなんて想像してもしなかったのだ
オリヴァー「…待たせてごめんね。事前に言ってくれれば、アリスティアに会わせてあげられるようになったよ。」
イリスは夢心地のような気分だった
イリス「ほ、ほんとに?………夢じゃない?またお姉ちゃんに、会えるの……?」
オリヴァー「あぁ。………ただ、見張りはつけさせてもらう。それでもいいかい?」
申し訳なさそうに眉を下げるオリヴァーに、イリスは首を横に振る
イリス「お姉ちゃんに会えるなら何でもいい!だからお願い、会わせて…!」
オリヴァー「……分かった。ごめんね、俺は君に我慢をさせてばかりだ…」
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