──私はかつて、両親を殺めました。
ずっと、ずっとずっとずっと我慢していたものが爆発したのです。私は衝動に従って、自らの家に火を放ちました。そして、幼い弟の手を引いて、その閉ざされた集落から逃げました。 悲しいことはなにもありませんでした。そこにあったのは、安堵と不安、そして開放感と焦燥感でした。
私はずっと、弟が両親に虐げられているのを見ていることしか出来ませんでした。両親は、弟を「忌み子」と呼んでいました。弟は両親どころか、集落の誰も持ちえない金色を持って生まれたのです。だから両親は弟を虐げました。私に出来ることは、両親にバレない程度の手当てと、遊び相手でした。弟は感情を放棄したのか、何をされても泣きも喚きもしない、大人しい子どもでした。それでも私には心を開いてくれていて、ほんの少しの笑顔と、ありがとうをいつも私にくれました。この子を守らなければという思いが、日に日に強くなっていきました。そしてある日、集落の畑仕事を手伝っていると、ふと風に乗ってこんな話が聞こえてきました。
「次の奉納祭の生贄は、忌み子らしい」
我慢の限界でした。私は密かに準備を進め、速やかに実行に移しました。
私は集落から逃げ出した時、かつてないほどの開放感に包まれ、そして、焦燥感にかられました。もう弟は虐げられることも、生贄になることも無い。けれど、これから私はどうしたらいいんだろう、こんな私に何が出来るのだろう。歩いて歩いて、歩き続け、たどり着いたのが、万事屋花一匁でした。私はボスと柳さん、そしてかつてのボスに助けられ、弟と共に匿われることになりました。そこでやっと気付いたのですが、弟は炎に囲まれたショックで全ての事を忘れていました。名前も、私の事も、何もかも。その時私はちょうどいいと、そう思ってしまったのです。新たな人生をここで歩める、そう思いました。それから私はボスに頼み込んで弟と共に万事屋の一員にしてもらいました。
これが、私の全てです。
五章「忌み子、神の子」
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🐉鳳凰 (CV.桐生りな)
🗝柳 (CV.魚ヅカシャケ先生。)
🌸桜 (CV.桜夜)
🌙月 (CV.海月∞)
❄️鶴 (CV.なつな)
🐗猪 (CV.わ子)
🍁鹿 (CV.07)
🦋蝶 (CV.こくみ)
🍶菊 (CV.MOCO)
🎴全員
【歌詞】
🐉🗝🌸❄️名も無い時代の集落の 名も無い幼い少年の
誰も知らない おとぎばなし
🐗🍁🦋産まれついた時から 忌み子 鬼の子として
その身に余る罰を受けた
🍶悲しい事は 何も無いけど
🌙夕焼け小焼け 手を引かれてさ
🎴知らない 知らない 僕は何も知らない
叱られた後のやさしさも
🐉🗝🐗雨上がりの手の温もりも
🌙でも本当は 本当は 本当は 本当に寒いんだ
🎴死なない 死なない 僕は何で死なない?
夢のひとつも見れないくせに
🌸❄️🍁🦋誰も知らない おとぎばなしは
🍶夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
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伴奏は、作曲者kemu様のピアプロ(https://piapro.jp/kemu8888)よりお借りしました。
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