おにのうた
のぞミ
おにのうた
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あの娘の涙が凍って
うまれてきたしろいおに
つめたい朝風 頬染めて
両の手掴んでおどりだす
かよわいあの娘は霜焼けて
つかんだその手も鋼のよう
「だけどひとりじゃないからね」
花のように笑わないで
だいじょうぶだから
とおくへいかせてよ
ぼくがいなくたって
愛せるようなせかいだよ
だいじょうぶだから
とおくへいかせてよ
きみの笑って泣いていく
あたたかい日々を守りたいの
最後のうたが響く
しろいおには吹雪いて消えた
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