アイネクライネ
Piano×Alice
アイネクライネ
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【この奇跡に、五線譜で彩りを】
Piano×Alice
さぁ、約束を果たすときだ。
ここはお誕生日会の会場。
私は譜面台に楽譜を置く。
1呼吸置いて、ピアノを鳴らす。
みんなが褒めてくれた「優しい音色」で音を紡ぐ。
……1つ、私はあの世界で願ったことがある。
もしかしたら、今それを叶える時なのかもしれない。
私のピアノの五線譜が、橋となるのなら。
私のピアノの音符が、鍵となるのなら。
私の願いは、この世界の境界線をなくすこと。
正義だとか悪だとか、そんなの考えたってどうにもならない。そこにいるのは紛れもなく同じ生きている者だ。
生きていれば時に衝突もあるかもしれない。
だけどその衝突を乗り越えれば、仲良くなれる。
私はそう思ってる。
そう思いながら音を一つ一つ鳴らしていく。
すると、ピアノから五線譜が出ていることに気づく。
カチャン、と鍵の開く音も聞こえる。
あぁ、叶ったんだ。
そこにいる人影を見ながらそう思った。
人影を見て目を丸くしたみんなも、私の嬉しそうな姿を見ると安心して何も言わなくなった。
数人はまだ私が堕ちてるのか心配してたけど、そんなことないから安心して。私はみんなと仲良くしたかっただけ。
最後の1音を響かせる。
すると大きな拍手が会場に響く。
この拍手が、私にとって最高のプレゼントだ。
これから私達は平穏な日常に戻っていく。
嬉しいことに暇な日が一切ないような気がする。
毎日誰かが私の元に訪れて、どこか一緒にお出かけしたり、どこか一緒にご飯に行ったり……考えるだけで楽しみだ。
こうしてAliceとみんなは、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
True End
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産まれてきたその瞬間にあたし
「消えてしまいたい」って泣き喚いたんだ
それからずっと探していたんだ
いつか出会える あなたのことを
消えない悲しみも綻びもあなたといれば
それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような
奇跡であふれて足りないや
あたしの名前を呼んでくれた
あなたの名前を呼んでいいかな
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#D_of_S
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