第1話 向日葵(前編①)
⚠企画用のため関係者以外の閲覧、視聴禁止
第1話 向日葵(前編①)
- 13
- 0
- 0
効果音ラボ様より
ライター点火の音、倒れる音
前編①
日当たりのいい午後
窓から差し込む温かい日差しに、やわらかな風がカーテンを揺らす。
風に揺られて、煙草の煙がくゆりと天井に昇っていく様を、品のいいソファーに腰掛け、興味なさげに見つめるのは、青みがかった黒髪を緩やかに巻いたエキゾチックな美女
?「……レイ、一口貰えるかい」
そう声を掛けたのは、癖のある黒髪に翡翠色の目をした美丈夫
レイ「オリヴァー」
オリヴァーと呼ばれた男性は、レイの座るソファーに近づき、後ろから煙草をひょいと抜き取ると、そのまま口元に持っていく。やがて、静かな空間に白い煙が再び天井に昇っていく
オリヴァー「この銘柄、苦いだろう?」
レイ「でも、貴方好みでしょう?」
レイは流れるように灰皿をオリヴァーの手元に出す
オリヴァー「よく見てるね」
レイ「貴方のことは何でも知りたいもの」
オリヴァー「光栄だね」
短くなった煙草の先を灰皿の中で軽く潰すと、仄かな火が消えていく。それを見届けると、オリヴァーは灰皿を受け取り、吸殻をダストボックスに入れた
レイ「そういえば、セオとクレアはどうしたのかしら」
オリヴァー「二人はミッションの遂行中だよ」
レイ「ミッション?」
ーーー
街中を歩く二人の男女
一人はミルクティー色の長い髪を頭上で束ねた可愛らしい女性。もう一人は真っ白な髪をふわりとさせた端正な顔立ちの男性
?「……何であんたなんかと"買い出し"に行かなきゃいけないのよ」
そう、この買い出しがオリヴァーの言ったミッションである
?「はぁ?それはこっちの、」
何やら言い合いをしていた二人はある方向を見てその動きをピタリと止めた
?「………なんてことでしょう……わたしの、わたしだけのかみさまが…」
そう言ったのは、長い黒髪をふわりと靡かせた女性。女性の顔は青白く、今にも消えてしまいそうな雰囲気だ
?「……セオ」
セオ「分かってる。お前もヘマすんなよ、エクレア」
?「はぁ?人の名前を勝手に美味しそうにしないでくれる?!私にはクレアって名前がっ」
思わぬ呼び名に、青筋を立てるクレア
そんな彼女を無視して、セオは話しかける
セオ「……どうかされましたか?」
?「…………わたしのかみさまが」
虚ろな目をした女性が、セオを認識する
セオ「あの…」
すると、突然人が変わったように叫び、縋る
?「助けてください!早く、早くしないと!かみさまが、あの方が穢されてしまう!」
だが、その勢いも一瞬で
女性は糸が切れた人形のように倒れてしまった
セオ「………どうする?」
クレア「…オリヴァーに連絡しましょう。」
ーーー
Comment
No Comments Yet.