オレンジ
₊*̥𝙰𝚜𝚝𝚛𝚊𝚎𝚊☪︎₊*˚
オレンジ
- 157
- 25
- 0
__𝕃𝕒𝕦𝕘𝕙𝕚𝕟𝕘 𝕚𝕟 𝕥𝕙𝕖 𝕨𝕠𝕣𝕝𝕕 𝕪𝕠𝕦 𝕒𝕣𝕖 𝕚𝕟.✩₊*˚
₊*̥┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈☪︎₊*˚
すぐそばで、璃月の声がした。
「大丈夫。ワタシは、此処にいるから」
その声は璃星の耳に、はっきりと届いた。
璃星よりも少し高い、透き通った声。
それは星巫女になんてなる前の、いつも通りの璃月の声。
耳に届いた大好きな声が、璃星の声帯を震わせた。
滲んだ視界で顔を上げると、星空が世界を包んでいた。
濡れた瞳に映った星灯りは、瞬くように揺らめいていた。
二人きりで逃げ出した、あの雪の日を思い出す。
失われたはずのぬくもりが、璃星の心を満たしていく。
遥か昔、神様の元に生まれた双子がいたという。
神様の血を濃く受け継いだ片割れは、不死身の身体を持っていて。
人間の血を濃く受け継いだ片割れは、先に死んでしまった。
半身を失くした双子の一人は、神様に乞い願った。
生まれた時から片時も離れることのなかった半身が、命を落としてしまった。
私達は共に生まれて、死ぬときまでずっと一緒で在りたかった。
だからどうか、自分の不死を解いて欲しいと。
その願いは叶えられ、星空の下で二人は再会した。
もう二度と離れないように、星座として結ばれて。
璃星と璃月の願いは、叶えられないと思った。
星座の物語のように、都合良く願いは叶わないと思っていた。
璃星は死ぬことが出来ないのだと思っていた。
だけど、違った。
璃月の身体から解き放たれた、璃月の魂は。
確かに今、璃星の中にある。
璃月は、今も此処にいる。
どちらかが死んだって、それは離別の合図じゃない。
璃星と璃月は、元々ひとつの存在だったのだから。
ひとつだった魂が、何の因果か偶然二つの身体を得て。
一人分の心臓を、二人で分け合って鳴らしていただけ。
だから、今までが異常だったのだ。
ひとつの身体に、ひとつの魂が宿っている。
離れ離れになっていた魂は、ようやくひとつに結ばれたのだ。
もう二度と、離れることはない。星座のように結ばれている。
何も怖いことなんてなかったのだ。璃星が死ぬ必要も、なかったのだ。
これが、二人にとって一番幸せな形なのだから。
「ねえ、璃月」
「なあに、璃星」
星の瞬く世界で、二人きりになってしまったかのように。
いつも通り、二人は言葉を紡ぐ。
二人で一緒にいられるのなら、後悔なんて何もない。
大切なお互いの名前を呼び合って、二人は微笑んだ。それだけで幸せだった。
お互いの心を結んだまま、双子座の星巫女は歌う。
鎮魂歌は要らない。璃月の魂は今も、此処にあるのだから。
離れ離れだった二人が、ようやく結ばれた。
夜明けに響いたのは、そんな祝福の歌だった。
蛇遣いの季節は、祝福に包まれて幕を閉じた。
𝕋𝕠 𝕓𝕖 ℂ𝕠𝕟𝕥𝕚𝕟𝕦𝕖𝕕...
₊*̥┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈☪︎₊*˚
✯𝕃𝕪𝕣𝕚𝕔✯
君のいる世界で笑ったこと、
君の見る未来を恨んだこと、
君の声、温もり、態度、愛のすべてが…
海街、赤錆びた線路沿い
二人、「幸せだ」って嘘ついて
くしゃくしゃに笑う顔、繋いだ手
遠くの島、朝焼け
愛しきれない君のこと、
つられて泣く私も弱いこと、
代わりなんてないって、特別だって
許し合えた日も
もう二人に明日がないことも
ただ、ずっと、そう、ずっと
隠してしまおう。
残される君に届くただひとつを
今でも、探してる。
「元気でいますか。」
「笑顔は枯れてませんか。」
「他の誰かを深く深く、愛せていますか。」
ずっと来るはずない君との日を願ったこと
鍵かけて
✯ℂ𝕒𝕤𝕥✯
♊︎Gemini #星巫女_璃星 #星巫女_璃月
⛓璃星/🔗璃月(cv.唄見つきの)
https://nana-music.com/users/1235847
₊*̥素敵な伴奏をありがとうございました☪︎₊*˚
➴もぴ様
https://nana-music.com/sounds/00f3c368
✯𝕚𝕝𝕝𝕦𝕤𝕥𝕣𝕒𝕥𝕚𝕠𝕟✯
蓬様(@yomogi_nana_ )
✯𝕋𝕒𝕘✯
#Astraea #星巫女
Comment
No Comments Yet.