第5話 それぞれの課題解決《🍷編》
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第5話 それぞれの課題解決《🍷編》
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____ユアからミニユニットライブの開催を伝えられてから、1週間。
Wine red×Ladyのメンバーの3人は、一旦練習を止めて一箇所に集まっていた。
🐕「…全然、合わないね……」
リリが眉を下げながらそう言うと、ほかの2人も頷いた。
3人は何度も何度も練習しているのだが、一向に動きが合わない。
ひとつうまくいけば別のところでずれて、そこがうまくいったと思ったらまた前のところでずれて…というのを繰り返していた。
🛍「…このメンバーで歌うの久々だものね…。どれくらいの距離感がぴったりだったか、もう忘れてしまっているわ…」
🍮「急にこの世界に来たのもあるし、無理もないよ。…てか、前にミニユニットで歌ったのいつだっけ…」
🐕「確か、冬のアイドルコンサートが最後だったはずだから…も、もう1年はこのメンバーで歌ってないかも…!?」
その事実に全員がため息をついた。
冬のアイドルコンサートは、Twinkler+Twinsが人気になる前の話なので、人気になってからは一度もミニユニットで歌っていなかったことになる。
彼女達が人気になった理由は、たしかに歌やダンス、クオリティが高いと評価されたということもあるが、やはり"双子"という要素がかなり大きかった。
双子という要素が人気の理由のひとつになっている、ということは、自動的にそうでない組み合わせで歌うことは減るもしくはなくなるわけで。
それぞれ姉妹で分かれた構成であるミニユニットメンバーでの歌唱の機会は、ほぼ必然的に消えていっていたのだ。
🐕「まだ1週間目ではあるけど…このまま練習を続けてても、根本的な解決はしなさそうだよね…」
🛍「そうね…。試しに冬のアイドルコンサートで歌った曲を踊って歌ってみる?」
🍮「あ、それいいね。距離感思い出せそう」
🛍「じゃあ、早速やってみましょ!…カウント行くわよ。せーの」
音はなく歌もアカペラだが、流石パフォーマンスの高さでも評価されたグループのメンバー。
完璧なリズム感と音程を保っていた。
最初こそフォーメーションでの距離感に少し開きがあったり、逆に狭過ぎたりすることがあったりもしたが、それはどんどん消えていき、サビに入るあたりでわからなくなった。
一曲歌い踊り終わった3人は、晴れやかな表情をみせていた。
そして、3人は同時に、
🍷「____思い出した!」
と叫んだ。
🛍「そうだ、ここはこれくらいでよかったのよね」
🍮「ね!近づき過ぎてた…」
🐕「私は逆に遠過ぎたかも…」
次々に上がる反省点を、ミレイが紙に簡易的にメモを取っていく。
🛍「よし、今出た反省点はしっかり克服しましょう!…本番、頑張りましょうね」
🍮🐕「うん!」
一時はどうなることかとヒヤヒヤした3人だったが、その後は練習も順調に進んでいき…。
____およそ3週間後、3人はステージの上に堂々と立っていた。
ミユが目配せし、少し前に立つ。
🛍「……聴いてください」
それまで自信に満ち溢れていた3人の表情は、ミユの一言で一瞬にして憂いを含んだ表情に変わった。
🍷「秒針を噛む」
Next→🍷Wine red×Ladyライブサウンド
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