深海の孤独
💠コスモ
深海の孤独
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一段と大きな扉。その前で、セーラとリアナはシンシアの到着を待った。恐らく、此処にコスモが居るはずだ。
🌼「さっきの話」
💘「ん?」
🌼「私が、人間だって話。私には分からないけど、きっとまずいことなんだよね。リアナちゃんは、気にしないの?」
💘「うん、気にしないよ!だってね、セーラちゃんは優しい人間さんだから。私には分かるの!人魚の涙を奪う悪い子じゃないの!」
🌼「そっか……ありがとう。優しいんだね、リアナちゃんは」
💘「それにね、シンシアがセーラちゃんのこと信じてるから!シンシアはね、ほかの人魚のこと、あんまり信用しない子なの。だけどセーラちゃんは特別なのよ!」
リアナはにこりと笑った。しかし、その笑顔には少し影がある。
💘「ちょっとだけ、ズルいなぁって」
ぼそり、とリアナは呟く。どうして、と聞こうとするセーラの言葉を遮ったのは、シンシアの声だった。
💭「すまない。待たせたね」
疲れたような様子で、シンシアは2人に近づいた。
💘「怪我はないの?」
💭「ああ、まあ、大丈夫だ」
🌼「本当に大丈夫なの?なんだか、ソワソワしてるけれど」
落ち着かないような様子のシンシアにセーラは声をかけた。しかし、ふぅ、とため息をついた考えるは、いつものように落ち着いた表情を浮かべた。
💭「ほら、早く先に行こう。コスモはそこにいるんだろ」
🌼「そうだね。じゃあ、開けるね」
🌼はゆっくりと扉を開けた。ぎぃ、という重々しい音。踏み入れた部屋は、しん、と静まり返っている。時折、鼻をすするような音がする。
🌼「コスモ……?コスモ、居るの?」
💠「セーラ………?」
微かな声。セーラは暗い部屋の中をじっと見つめた。豪華な白いベッドの上、美しい空色の鱗を持った少女が蹲って泣いている。驚きで見開かれた瞳が、涙でキラキラと輝いている。
💠「なんで、こんな所に…?」
🌼「コスモに会いたくて、ここに来たの。逃げようよ、ここから。また、遊ぼう?」
💠「そうしたいんだけど、ごめんね。私は、ここにいなきゃいけないの」
🌼「どうして?」
💠「……あのね、セーラ。帰った方がいいわ。ここにいたら、危ないから」
コスモは縋るように、セーラを見た。セーラは首を横に振った。
🌼「嫌。私、コスモと一緒に出たい」
コスモはしかたがない、というように笑う。そして、セーラにそっと近づいた。
💠「私も、貴方と一緒に行きたい。でもね、無理なの」
セーラの体温を確かめるように、コスモはぎゅっとセーラを抱きしめた。セーラもまた、コスモの背中に手を回した。人魚特有の、ひんやりとした体温に、セーラは懐かしさを感じた。
💠「シュラミット様が来ちゃうから、ね?帰って」
🌼「どうしてなの?せめて、それだけでも教えてよ。私、何も知らないままじゃ、帰れない」
コスモは迷うように瞳を揺らして、それから、ひとつ瞬きをした。その瞳には決意の色が浮かんでいる。
💠「セーラは人魚の涙を知ってる?」
🌼「名前だけは」
💠「人魚の涙にはね、願いを叶える力があるの。それは、本当は人魚姫が流せるものなのだけど」
🌼「……だけど?」
💠「何故かね、シュラミット様は流せなくて、代わりに、私が」
🌼「だけど、だからって、コスモがこんな所に閉じ込められなくてもいいでしょ」
セーラの瞳からぽろぽろと涙が零れた。それじゃあ、仕方がないね、なんて言えそうにもなかった。コスモの身体を抱きしめたまま、セーラは泣くことしか出来ない。
ライター:penguin
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【歌詞🧜♀️】
悲しみを教えて……
瞳を閉じていたら悲しみも見えないと
温もり知らずにいれば傷付く事もないと
思い出せない優しい声を
弔う胸の海原
消え失せた過去から誰かが呼んでいるの
悲しみをこの手に取り戻す時はいつと
二度とは来ない今
貴方のことしか見えない
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【出演🧜♀️】
コスモ役💠Type‐C ココ
cv.さくらんぼあめ
▷https://nana-music.com/users/7751335
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【Tag🧜♀️】
#カラクリDolls
#ココ
#人魚の涙と深海のアリア
#深海の孤独
#桑島法子
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素敵な伴奏ありがとうございました✨
#ガンダムSEEDDESTINY #深海の孤独 #桑島法子
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