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haruki
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宿泊部屋がズラリと並んでいるそこは、夜中となるととても恐怖を感じました。
部屋の扉、部屋の隣に書いてある標識、今にも消えそうな 蛍光灯だけの小さな明かり。
そこをゆっくりと歩いて探索してました。
🐺『他の宿泊客もいるかもしれないから、この辺にしとくかぁ』
部屋の並んだ廊下の端から端までを歩いた俺たちは、その言葉で頷き来た道を戻ったんです。
すると声が聞こえた。
『なぁ、4階もあるらしいぜ!行ってみよう!!』
恋詠さんと️貴章さんは聞こえなかったのか、歩みを止めない。俺と雅狼だけが後ろのその声に縛られたように動けずにいました。
でもなぜか、俺は勝手に後ろを振り向こうとしている。
それを止めるように雅狼は俺の肩を抱いて、小さな声で耳打ちをしたんです。
🐺『ダメだ。そっちはむくな。いいな、絶対だぞ』
🍫『う、うん…』
後ろからは同じ言葉がずっと聞こえてくる。
『なぁ、4階もあるらしいぜ!行ってみよう!!』
🐺『悪いな、待たせてる人がいるんだ。俺たちはそっちに行かないといけねぇ。だから、ごめんな。』
俺はジッと黙っていることしかできませんでした。
これは一歩間違えるととんでもないことになる、そう感じたから。
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