【聞くの禁止】あめ②
だいや②
【聞くの禁止】あめ②
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🍭side
気持ちが分かる。
相手がどんな気持ちでいるかが見えてしまう。
悲しい気持ち、楽しい気持ち、寂しい気持ち
全ての気持ちがわかりたくもないのにわかってしまう、そんな私たちはきっと知らないうちに疲れてしまっていたんだと思う。
全てがわかってしまうことに慣れたと思っていた身体は この異様な体質をずっと拒み続けていたみたい。今になってわかる。
真里愛さんも笑顔を崩さずにずっと過ごしていたけど、同じ体質の私の前では苦しそうな笑みを浮かべるんだ。
💎『ごめんなさいね、透菓ちゃん。私、もう疲れてしまったみたいだわ。』
🍭『うん、いいよ。私も。もういいかなって思うんだ。』
二人向き合い、手を繋ぎゆっくりと瞳を開くと真里愛さんの気持ちが私の中に入ってくる。
悲しくも自我を忘れない、自分らしく生きていく意思が伝わってきて、あぁ、すごいなぁ綺麗だなぁと感じた。
真里愛さんも私の気持ちがわかったのか、今までにないくらい優しい笑顔をむけてくれた。
💎『綺麗で強い意思だわ…透菓ちゃんにしかない素敵な気持ちね。』
🍭『えへへ、ありがとう!真里愛さんは、己を忘れない強い気持ちの中に悲しい気持ちがあって、儚いけど美しい、そんな気持ちだね。綺麗だね』
💎『ありがとう。じゃぁ、もう終わりにしましょうか』
🍭『うん!そうだね。今なら優しい気持ちでいられそうだし』
💎『えぇ、そうね。』
お互いに別れの言葉を交わすと、キラキラ美しく輝く宝石はパラパラと地へ舞って降り注ぎ、可愛くて甘い飴はトロトロに溶けて、美しい川へと夢焦がれる。
私たちは、気持ちがわかる。
わかりたくなくても気持ちがわかってしまう。
それに疲れた心が前を向いたその先が
明るい普通の世界でありますように。
私たちは、そう願い眠りについた。
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