細部に拘りすぎて話が進まない桃太郎

笹かにかま

たぶん続きません。 子どもの頃にこんな読み聞かせされたら、僕はキレます。 ～～～～～～ 昔々、今でいう岡山県に、老夫婦が住んでおりました。 本人のプライバシーに配慮して、彼らの本名は、言い控えます。 桃太郎伝説の舞台には諸説あり、 島根県の隠岐の島、香川県の女木島、岐阜県の可児川など、全国に桃太郎のいわれを持つスポットが多く存在しています。 今回は、きびだんごの名産地として有名な岡山県を舞台としましたが、 おじいさん、おばあさんが、実際に岡山県に住んでいたとは限りません。 さて、ある日おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。 でもちょっと待ってください。「山へしば刈り」と聞いて、「どうして、おじいさんは山に生えている芝生なんかを刈るんだろう」と 疑問を持った方は、少なくないのではないでしょうか。 この「しば刈り」という言葉は、「柴」と呼ばれる小さな雑木（ぞうき）を刈ったり、 それらの枯れ枝を拾い集めることを意味するものなんですね。 ガスや電気のなかった当時は、こうして山から取ってきた「柴」を、 薪に火をつけるための「焚き付け」として利用していたそうです。 ちなみに、あの有名な二宮金次郎像が背中に背負っているもの、それがまさに、あの「柴」なんですね。 ところで近年、持続可能な資源開発の一環として、人と自然の共存する「里山」の保全が求められています。 里山の適切な管理には、この「柴刈り」が定期的に行われる必要があります。 電気やガスの普及により、我々の生活は便利になった一方、 里山の品質を保っていた「柴刈り」という文化は失われてしまいました。 現代を生きる私たちは、この問題にどう向き合えばいいんでしょうかね。 おっと、お時間が来てしまったようです。それではまたお会いしましょう。 ～～～～～～