声劇 月の堕ちる病室
台本:あいざわ 読み手:烈兎
声劇 月の堕ちる病室
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来てくれたんだ。
ふふっ、相変わらず元気そうでよかった。
うん、ありがとう。
僕も何とか元気だよ。
ああ、これ?
そう。このカメラ貰ったんだ。
この前僕の誕生日だったから。
父さんのお下がりだよ。
小さい頃から憧れてたんだ。
古いけど年季が入ってて、そこが良いでしょ?
.......ねぇ
僕ら、いつも一緒にいたよね。
君はいつも退屈そうにしてた。
自分だけの、
あの蒼くて綺麗な世界に閉じこもって。
_そんな君が僕は好きだった。
君の見る世界も、キャンバスも、君自身も。
もし僕がいなくなったら、
君は悲しんでくれる?
それとも、
うるさかった僕が居なくなって清々するのかな。
僕ね
死んだら月に行くよ、本当に。
だから死ぬのは怖くない。
何よりも、僕の夢だから。
だからお願い。
_僕のこと忘れないで、見つけに来てね。
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