第23話「手紙」
プリンセス・アテナ
第23話「手紙」
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第23話「手紙」
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🔥「ヴェルダンディ様の配下、六魔将の一人。炎のブリジットさ」
そう言ってブリジットが外套を脱ぎ去ると、その下には燃え盛るように真っ赤なプロテクターを身に纏っていた。
👘「かなり高いアンチマジック・プロテクト(魔法防御)がかかっています……お飾りの衣装ではないようね」
🔥「ご名答。これはエルフ族の職人に作らせた最高級の魔術士用プロテクターなんだ。これで僕がただのアイドルじゃない……そう、君たちのように"戦える"エルフなんだってわかってもらえるかな?」
👑「そうみたいね。さっきの魔術も、並みの魔術士がそうやすやすと打てるようなものじゃないわ。どうやらあなたは、かなり力のある術者みたい」
🔥「へぇ、なんかアレだね、姫君って噂されてるよりはちゃんと考えてるんだね」
👑「何よそれ!?私はバカだって噂されてるってこと!?」
🔮「ひ、姫様、噂は噂ですから……ねっ?」
👑「ふん、まぁいいわ。で?その……六魔将?っていうのは?」
🔥「我らが偉大なる魔術士、ヴェルダンディ様に仕える六人の魔将のことさ。僕たちNORNは、ヴェルダンディ様と共に舞台を彩るアイドルであり、ヴェルダンディ様をお護りする配下でもある。ちょうど君たちミナーヴァと同じようにね」
👑「そうよ、それなのよ!私が気になっていたのは!どうしてあなたは……いえ、あなたたちは、私たちの正体を知っているの!?」
🔥「さぁて、それはどうしてだろうね?でもどうして知ったかなんてあまり関係ないんじゃないかなぁ。それより、未来の話をしようよ」
👑「その前にもう一つだけ訊かせて。偉大なる魔術士……というのはどういうこと?彼女はあなたたちにとって、特別な存在なの?」
🔥「もちろん!僕たちにとって特別な存在であり、僕たち以外にとっても本来特別であるべき存在なんだ」
👑「僕たち以外にとっても……?」
🔥「まぁまぁ、その話はヴェルダンディ様から直接聞くといいさ。実はここに、ヴェルダンディ様からの手紙を預かってる。読んでみる?」
👑「手紙ですって!?」
くるりと巻いて紐で結び留められた手紙を受け取ったアテナは、早速紐を解いて内容に目を通す。
『プリンセス・アテナへ
私は魔術士ヴェルダンディ。
NORNのリーダーと言えば、貴様のような平和ボケした頭でもよく覚えているか?
あの時の貴様の鳩が豆鉄砲を食らったような表情は見ものだったな。
さて、アテナよ、私は貴様と話がしたい。
何の話かは、直接会ってから伝えよう。
貴様も私に色々と訊きたいことがあるのではないか?
気が向けば答えてやらんこともないぞ。
応じる気があるのなら、南部湖水地方にある捨て去られた古代の要塞、ドゥノス要塞に来い。
親衛隊の者たちも連れてきて構わないが、城の兵士たちを差し向けてきた場合は今回の話はなかったことにさせてもらおう。
応じなかった場合は何が起こるということもないが……
そうだな、もしかしたら最近急に増え始めたモンスターが、急に街を襲い始めるということもあるかもしれんな。
ふふふ。
アテナよ、貴様と会えるのを楽しみにしているぞ。』
手紙を読み終えたアテナたちは息をのむ。
👑「どういうこと……!?まさかこのモンスター騒ぎは……!!」
🔥「さぁてね。真実を知りたければ、ドゥノス要塞においでよ。それじゃ、僕はこれで。おいで、サラマンダー!」
ブリジットが右手を挙げて呼びかけると地面に魔法陣が現れ、そこから炎を纏った竜が飛び出してくる。
その背にひらりと飛び乗ったブリジットは、そのまま飛び去って行った。
険しい顔でその背を見つめていたアテナは、ヴェルダンディからの手紙をぎゅっと握りしめた。
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Mieco様
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【テキスト】
あきなと。
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