【声劇】刀
読み手: 台本:エグゼクティブソーダ
【声劇】刀
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「どうして俺を弟子にしてくれないんだ!」
『…お前なんかじゃ俺の刀は作れねえ
他を当たんな』
「あんたは江戸で随一の刀鍛冶だろ…!
刀は武士の魂だ…!
生半可な魂なんて作りたくないんだよ!」
『なら尚更他を当たれ…
お前みたいな高い志で刀ぁ打ってねんでな』
「…どういうことだよ
アンタの刀は一番斬れるんだ!」
『ああ、斬れる…斬れるだけ
それだけだ
斬れる刃物が作りてえってんならここじゃなくてもいい』
「俺が作りてえのはそこいらの給仕が使う包丁じゃあねんだ!」
『おんなじだよ…』
「…あ?」
『刀も包丁も変わらねえ
人を斬るのか、菜っ葉切るのか…それだけだ』
「じゃあ…どうしてアンタの刀は斬れるんだ
そんな志で…どうして!」
『俺にはこれしかねえからだ
俺の刀が誰かを殺すかもしれん、死んだの者の家族に恨まれるかもしれん
それでも俺は刀を打つ、生きるために
明日のうまい飯を食うために、俺は斬れる刀を打つしかねえんだ』
「…俺は俺の志を捨てられねえ
でもあんたから学びてえんだ」
『なら根競べだな、坊主』
「望むところだ」
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#炭酸水の台本 #台本
Comment
1commnets
- や行(よく死ぬ🔰)刀鍛冶の時事いやらせていただきました!