声劇台本「深海の天国」

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海底に潜む、もうひとつの世界。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 地上の人々は 知らない 深い 深い 海の底には街があり その街には 民がいることを 誰も 知らない とぷん と少女は沈んだ 酸素を手放し まぶたを閉じる 彼女は 地上の世界に 別れを告げたのだ ｢なら 深海の街においでなさい｣ ハープの音色のような 穏やかな声がした うっすらと眼を開けると たくさんのさかなの尾ひれが さわさわと 小さな気泡が つぶつぶと そして 淡い色味の 珊瑚礁のような街が見えた その美しい景色に 少女は安堵して 意識を手放した そこは 生命の道しるべを失い 最期に 海を選んだ者たちが 潜む街 どこまでもやさしいだけの世界は なぜか 狂気を孕んでいる ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 気泡…きほう 珊瑚礁…さんごしょう 安堵…あんど 潜む…ひそむ 孕んで…はらんで レーニャ様の繊細で素敵な演奏を使用させて頂きました。読まれる際は台本と演奏に拍手をお願い致します。 空に天国があるのなら海にも天国があるのではと思って昔に書いたお話です、この台本は主人公の見える景色の動きに重点を置いて描きました。是非読み手の方にも深海の街の色が見えたらなと思います☀︎ 冬紀コウの台本 https://nana-music.com/playlists/3566561 #声劇台本 #声劇 #台本 #朗読 #朗読台本 #一人声劇 #1人声劇 #切ない #悲しい #声劇民と繋がりたい #冬紀コウの台本