花の香
キタニタツヤ
花の香
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生ぬるい土の匂い
靄がかった視界の奥に
あなたの横顔
鼻先をくすぐる
湿っぽい夜の芳香で
くらくらしたんだ
傾げた首、潤んだ目
はだけた肩に刻んだ青
紗幕の奥に潜んだ
やわ肌の上を
流れていく赤色に魅入られてしまった
汗ばんだその首筋に指を走らす
濡れそぼった花の香で緩んだくちもとに
垂涎 息を呑んだ
何もかも奪ってしまえたなら
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