おばけちゃん🐋
Guiano
おばけちゃん🐋
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怪異『1500m/sの導き』
白い大鯨の骨を夢に見たその朝から、浮遊感と低くぼんやりとした耳鳴りが続く。喉が乾くのがはやくなったり、頭痛がしたりする。だが、微々たる違和感なのでいつも通り頑張ってしまう。帰る時間が過ぎても、我が家に帰っても頑張ってしまう。そうして死んだように眠るとき、鯨は救いに見える。無機質なカルシウムは、冷たい深海に似合いだ。低い耳鳴りは鯨の声。どんどん言葉を象っていく。名前を呼ばれた気になってしまう。毎日毎日、浮いたように生きて死んだように浮いている。ふわふわとした雲の隙間に鯨の尾を見つけた時、
『 』
呼ばれた。ああ、呼ばれた!行かないと。どこに?知らない。鯨を追いかけるのだ!走って走って、どこにって、鯨のもとだ!海へ、海へ還ろう。
砂浜の足跡は、海の深くまで続いていた。
歌:おふとん⁂
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