One Love
糖川千緩
One Love
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待ち合わせ場所は噴水のある公園。
ここは僕がお嬢様に告白をした場所でもある。
同じ場所で、もう一度新しい人生を踏み出そうと僕がここに決めさせてもらった。
絶対お嬢様には待たせないと、女性に待たせるなんて最悪だと、お嬢様より先に着くようにしていた。
よかった。まだお嬢様は来ていない。
今のうちにちょっと練習しておこう。
僕と結婚してください……いや在り来りすぎるな…
僕のそばにずっといませんか……なんか違う……
君は太陽のように素敵だ。僕は既に君の虜……いや痛いヤツじゃん。却下却下。なんだこれ。
じゃあじゃあ…ぼ、僕……
「千緩?」
「あっっアイクスさん!?!?」
き、聞かれてたかな………。聞かれてないことを祈ろう…。
ちゃんと、ちゃんとしなきゃ。
みんな応援してくれている。ちゃんと伝えなきゃ。
僕が、今後この人とどうしていきたいか。
「…アイクスさん。」
「どうしたの?」
「僕、アイクスさんのおかげでここまで生きてこられたんです。」
「僕なんか元々社畜みたいなやつで、そこから逃げ出すために個人店を勢いで開いたけど最初のうち本当にお客さん入らなくて。やっぱり僕なんかとか思ってて…………そしてやっと入った初めてのお客さんがあなただったんです。
【あなたは立派なパティシエよ。だから自信もって。】
この言葉に僕は本当に救われたんです。
だから今お店は評判にもなって。沢山注文とかも入るようになって…………お嬢様がいなければ、ここまで来ることなんて出来なかったと思うんです。あなたは僕の希望です。……だから」
『次は、僕があなたの希望になります。
僕があなたを幸せにします。…僕と、結婚してください…!』
言った。ちょっと言葉はごちゃついて伝わりにくかったかもしれない。でもこれは全部僕からアイクスさんへの想いだ。
しばらくしてから顔をあげるとアイクスさんは驚いたような顔をしていた。
「千緩さん。……私…」
#ドルチェマリアージュ
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