Heathcliff🕒御影綴
https://nana-music.com/users/9747720
🌙.*·̩͙
wow 行き先はどうしよう ちょっと私服じゃマズイかな
あぁ、何もかも 放り出しちゃった午後
wow 背伸びしたヒールじゃ ちょっと踏みだしにくいからさ
少しラフにフード付けて バレないように行こう
商店街 路地裏へ抜けて
あぁ、なんだか ドキドキしちゃいそうだ
ふいに 風が吹いたら フードが脱げて すぐさま観衆目線だ
「・・・やっぱ いつも通りの週末になっちゃいそうです」
散々だなぁ 辞めたいなぁ 満員御礼!なんて言うけど
その実ブルーなので 困っちゃうよ 目立っちゃうな
散々だなぁ 逃げたいなぁ 期待しちゃうよ。
「もう私を見ないで!!」 ・・・なんて言葉も ポケットにしまおう。
🌙.*·̩͙
ギラギラとした照明に、バレないように目を細める。レモンパイラバーズ、と名付けられたユニットに見合う淡いイエローが波打つ前で、必死。
本当は、不特定多数の前に立つなんて嫌で嫌で仕方がない。苦手だし、恐ろしいし、許されるのなら逃げ出してしまいたい。女の子たちのきゃあきゃあとはしゃぐ声も別に好きではないし、フラッシュの音と光はたまらなく怖いし。何度向いていないと、辞めたいと思ったことか。
それでも。それでも、なぜだかこの強すぎる光を浴びて、イエローの波の中で、相棒と背中合わせに声を合わせるのが夢のように心地よく感じる。もしかしたら夢かもしれない。苦手と幸せがひとところに詰め込まれているだなんて不思議なことが現実で起こるとは思えない。
舞台を降りて、ステージ衣装を脱いで。変装のためのマスクの下でほんの少し、口角が上がる。
恐ろしいことだらけの毎日の中で、それでもいたずらっ子のような、ドキドキする気持ちを抱えて明日も生きていけそうだと思う。
「ヒース。お前はそのまま楽しい夢を見ていろ。……現実は、オレがなんとかしてやる」
🌙.*·̩͙
sound🎶 https://nana-music.com/sounds/05c9412e
Comment
No Comments Yet.