声劇 さよならワンダーランド
台本:あいざわ 読み手:愛音桜
声劇 さよならワンダーランド
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_夢から覚めた私は、
ただそこに広がる緑を見ていた。
膝にはすやすやと眠る私の可愛い子。
耳を伏せて、静かに寝息をたてている。
「ああ....不思議な夢だった。
寝ていたはずなのに、
なんだかどっと疲れたみたい。」
そよ風は花と草木を揺らして
喋ったり、歌を歌ったりはしない。
兎は時計を見て急がないし、
白い薔薇は庭で美しく咲いている。
何故って、ここは私の国じゃないから。
....よく考えてみたら、
私の国でもなかったような気もするけど。
「さようならアリス。
また今度、うたた寝の時間に。
ワンダーランドは貴方の中に。
....私の世界は私だけのものだから。」
散らばったトランプが、風で舞い上がる。
そう、誰にも邪魔させない
私だけのワンダーランド。
_また私が迷い込めるように、
扉を開いて待っている。
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