【声劇】都会へ行く君へ
台本 : 真司
【声劇】都会へ行く君へ
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読み手 : 真司
あ…桜だ…
もうこんな季節なのか、早いな
そうか…
アイツらが東京へ行って、もう一年経ったのか
今頃きっと、アイツは絵を、アイツはダンスを
アイツは…音楽を
俺が諦めちまったモノを
アイツらはまだ追いかけているんだろうか
…ここで毎日集まって、皆で言い合ってたっけ
一人が文句言えばそこからケンカに発展していって…
しまいには大ゲンカになって
一体誰がこの場を収めるんだって話になって
大笑いしたっけ
『俺が大物になったら、お前らを推薦してやるぞ!』
…はっ、バカだなぁ。大口叩いたクセして、このザマか。
情けねぇ。
聞こえてるか?オマエら。
俺は冴えないリーマンになったよ。
毎日何の為に生きてんのか、分かんなくなってるよ
たまには連絡くらい寄越せよ
少しは、俺の事も思い出してくれ
バカな奴がいて、変なコト言ってた、ってな
オマエらはどうだ?元気でやってるか?
…なんてな。
ここには誰もいない…よな。
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