本編第3話③
歪み③
本編第3話③
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#幻想月華 #声劇 #和風 #イヤホンヘッドフォン推奨
皆様こんにちは。
本編第3話③の公開です。
今回は回想のようですが…夢なのか、記憶なのか…本人もまだわからないのかもしれません。
このお話が、物語を紐解いてゆく重要な鍵になるかもしれません。
幻想月華ではメインキャスト様の再募集を行っております。こちらのサウンドと合わせてご覧いただけると幸いです↓
https://nana-music.com/sounds/06001177
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(3-③)
うっすらと見える紅い世界。
パチパチと炎が燃える音と焦げ臭さ。
少し先に4つの人影が見える。はっきりとは見えないがどうやら慌ただしく動いているようだ。それに何か声がきこえる。わかるのはそれだけ。これは夢なのか…しかし夢にしてはやけにぼんやりとしている。
(??)「巫女様、早くお逃げください!」
(??)「しかし!私は皆を...!」
うすく目を開けると少し離れた場所で慌ただしく動く4人の人物がうっすらと見えた。
(??)「...一族の皆様はもう...」
(??)「...そう、ですか...」
ぼんやりとしているとどうやらその人影が近づいてきたようで徐々に声がはっきりときこえるようになってくる。
視界はまだぼんやりとしているためよくわからないが彼らの声色からどうやらかなり緊迫した状況だということがわかる。
(??)「どうか、姫様を連れてお逃げください!!あとは私たちが!」
(??)「だけど…!」
(??)「守護者よ、頼む。」
(??)「巫女様、失礼致します!」
(??)「な、なにを!うっ...」
軽い打撃音の後、トサッと近くで何かが軽くぶつかるような音がきこえた。
(??)「お二人を頼む。」
(??)「はっ!」
(??)「式魔使伏急急如律令」
不思議な呪文がきこえ、すぐに身体に浮遊感を感じる。どうやら地面から浮き上がっている
ようだが周りが見えない。
(??)「だめ...!おいていけない!」
(??)「お許しください、今は貴女方を...!」
(??)「2人ともだめ...!!」
直後、轟音が辺りに鳴り響く。
爆ぜる炎。木々の倒れる音。
風をきる音が強くなり木々が爆ぜる音は薄れてゆく。
一体...何が起きているのだろう?この人達は誰なんだろう?これは...夢、なのだろうか...?それとも…
(??)「...っ...あなただけでも...」
今まで感覚はなかったはずなのに。何故だかあたたかな手のぬくもりを感じた。炎のせい
だったのだろうか。
うっすらと見えていた世界が徐々に明るくなっていく。
(??)「...真白」
(真白)「っ!?」
目覚める前光の中に一瞬見えた『何か』
紅い世界の中に輝く雪のように白い髪。炎のような紅い瞳。
人ならざる儚げな美しさがやけに目にやきついて残るのだった。
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