【声劇台本】Ephemeroptera：蛹化

●黒蟻【】× ○蟻地獄【】（楽曲:Zzz様）

捕食、蛹化。 ──本能のままに。 ●黒蟻（くろあり） …雌♀ 蟻地獄に捕食される。 ○蟻地獄（ありじごく） …雌♀ 黒蟻を捕食する。間もなく蛹になる。 --------------(以下台本📚)--------------- (01.29) ●腹を破られ、傷口から溶けていく。足先まで毒に侵された私に、大顎(おおあご)が襲いかかる。 ●意識が遠のいて── 突然、戻った。 (01.16) ○「なんだい、こりゃ。体液と一緒に、おまえさんの意識まで吸い出しちまったのか。頭ン中でお喋りができるじゃないか」 ●「……、身体がない。これは一体──」 (01.01) ○「やあ、黒蟻(くろあり)。わちきはおまえさんを喰った蟻地獄(ありじごく)だ」 ●「喰ったって……、私の身体、残ってないの？欠片も？」 ○「硬いとこなら、避(よ)けさして貰いました。巣の外に、ポイっとね」 (0.45) ●「……お粗末様。まぁ、身体が在っても今更か。ところで君は、あとどれくらい生きるの」 ○「何を急に」 ●「私はもう一度、君と死ぬのだろうけど。だとしたって、……暫くは御免だよ」 (0.28) ○「そうかい。わちきはこれから土に潜って蛹(さなぎ)になる。羽化して、卵を産んだら──、終いかな」 ●「時間はありそうだね」 (0.16) ○「まァ、考えたって仕様がない。繭の中で話でもして、気を紛らわそうじゃないか。だが、喰っちまったことは……すまなかった」 ●「……ふ、それこそ仕様のないこと、だよ」 #台本コピペ禁止 #台本引用添付禁止 詳しくは↓ https://nana-music.com/sounds/03c27550/ ------------------------------------------ (設定📒) 黒蟻が、蟻地獄の巣に落ちた。 蟻地獄は、毒液と大顎で、獲物を貪り喰らった。 それで終わるはずだった。 しかし黒蟻は、喰われても尚、意識を取り戻す。 ──『蟻地獄の頭の中』で。 彼女らは、ひとつの身体にふたつの意識を有しながら、 『死』に向かって、緩やかに歩き出した。 ------------------------------------------ お久しぶりです。本当に…。 5/9 NHK『ダーウィンが来た！』でアリジゴク（ウスバカゲロウ）特集を観ました。誰に教わらずとも、本能のままに生き、死んでいく小さな肉食昆虫。その姿に、なぜか、激しく胸を衝かれました。彼らの話を書きたいと……3部作に仕上げることにしました。このあと、続く2篇も投稿したいと思います。 テーマは『本能』。 台本作成において、Zzz様に、再びお世話になります。このえもいわれぬメロディー、美しく儚く、そして次の瞬間ぞわりとするような。この黒蟻と蟻地獄の物語に、どうしてもお借りしたくなりました。お世話になります。本当に本当に、ありがとうございます。💐✨ ------------------------------------------ ❗️台本利用時の注意は、プロフィールをご覧ください。 ❗️台詞・性別の変更不可✖️です。卵を産める「雌」であることが大きな意味を持ちます。 ❗️コラボ時は、楽曲様に拍手・コメントを！