沖縄に降る雪 アカペラ・三線
宮沢和史
沖縄に降る雪 アカペラ・三線
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🎤≪歌旅日記≫🏃 【26】
◆訪問地 沖縄県中頭郡北谷町 ボクネン美術館
今回のテーマは、「歌入れした後に、本楽曲のモチーフとなった映画『ナビィの恋』の ポスターの版画を手掛けた琉球版画家・名嘉穆稔の美術館を訪問してコラボ動画撮り」です。
この楽曲のモチーフは映画『ナビィの恋』である。MVについては『ナビィの恋』の映像をそのまま使っているほど。(今回は歌旅なので、ここらへんの楽曲の話については次回)
したがって、この楽曲の「あなた」とはナビィであり、歌っているのはサンラーと言っても過言ではない。よし❗ならばと、その『ナビィの恋』のポスターの版画制作者である琉球版画家の名嘉穆稔の美術館に赴き映画に纏わるキャプションのイメージを固めようじゃないかと行ってみた。
その前日、久々に『ナビィの恋』を観かえしたのだけど、上映当時と今ではやはり見方は違う。
あらすじを簡単に。沖縄の離島にて、生き別れになったかつての恋人のサンラーが60年振り島に帰り、再会したナビィおばぁが家族よりも愛を選びサンラーと島を駆け落ちする、というもの。
内容は単純だけど、『十九の春』をモチーフとした見事なウチナーミュージカルであり、映像の色彩も素晴らしく、何よりも沖縄の離島のあのスローな空気感がとても良く伝わる快作。
あとはやっぱり、 登川誠仁、嘉手刈林昌、大城美佐子、平良とみ、津波信一などなど、沖縄のレジェンド唄者や大物役者が勢ぞろい。沖縄民謡だけでなく、アイルランド音楽、オペラも見事に織り交ぜている。
そして、沖縄の良くない部分、陰湿な部分も滑稽に描いている。沖縄の占い師・ユタの根拠のない提言に島民が絶対服従であり、非人道的な行いもまかり通る。ガチのユタも居ることには居るが大半はいわゆるインチキ・ユタであり、それによる民事的事件はいまも起きている。
でも、その神に仕える女性たちについて、とても感慨深い話がある。
それは、竹富島での上映会の時のこと。ナビィが“不倫”という結末で島を駆け落ちしたことについて、元来、道徳や規範に厳しい島のカミンチュ達から意外にも「よくやってくれた」と監督に称賛の声が贈られたらしい。
いまや南国パラダイスが全面に出ている沖縄だが、閉鎖的かつ束縛的なのも沖縄の一面であり、それを定めとして夢を諦め想いを押し潰してきた女性が多いのもまた事実。この映画が島のおばぁ達の無念を代理的に晴らしてくれたわけである。
さて、話は戻り、いざやってきましたボクネン美術館。今シーズンの有料展示はシーサー展とな。楽しみである。なんと写真撮影の許可まで頂けた。ありがたい。果たして、あの『ナビィの恋』の ポスターの版画『ヤワタ畑の歌』に出会えるだろうか。
もちろんこのご時世であるので、館内は私一人。梅雨になったにも関わらず雨降らず、夏の日差しが館内に差し込む。その日差しよりも強い日差しを感じる名嘉穆稔の版画群。
あの、目さえ開けられないほどの強い色彩を版画や絵画で感じようとは思わなんだ。版画の一枚一枚からの発せられるエネルギーが凄まじい。ここは間違いなく、ウチナーパワースポットの一つだと実感した。
で、思いもかけずに気になったのが、琉球美人画。これまで版画の荒々しい画風しか知らなかったものだから、とても新鮮。そして、私がいま欲していたインスピレーションにとても合致していた。
そして、2階の有料展示のシーサー展へ。名嘉穆稔の描くシーサーの圧倒的迫力と色彩。シーサーというよりもインドネシアのバロンのようにも見えるギラギラ感。そんな中、なんだか既視感のある空色の版画を見かける。「あれ❓まさか❓もしや❓」とだんだんと期待が膨らみ始める。
シーサー展のメイン実物シーサーとの版画展示場に来た。その迫力を堪能しながら展示されたシーサー版画を一枚一枚見ていくと…あった⁉️あったあった‼️やっぱりあった‼️
まるで自身の受験番号を見つけた受験生の如く心躍る。なんと、アルバム『OKINAWA ワタシノシマ』のジャケットとして制作された版画『空の歌』の原画が展示されてるではないかっ‼️
今回の祭りはあのアルバムを中心としたセットリストなので、まったく期待していなかったあのアルバムの原画にまさか出逢えるとは思わずとても喜んだ。なんとも素敵な“縁”と“機”である。感謝。
シーサー展をじっくり堪能した後は、美術館の展望台に昇った。この奇妙な形状の赤瓦屋根はなんだかスペインの建物に似てるなぁ。夏空の下の西海岸を望む360°の視界は本当に素晴らしかった。
帰り際、物販コーナーで『空の歌』のメッセージカードを見つけ購入。メンバー4人をモチーフとして製作されたこの版画のポストカード、THE BOOMのファンにとっちゃぁファングッズだからね、これ。ウヒヒ。
美術館を出た後は、また別の個人企画『沖縄ぜんざい食べ歩き』を美浜で実施。そこで満足して帰宅しようかと思った時に急にふと恩納村の恩納ナビービーチへ行くべきではないかと思い始め、いざ恩納村へ向かったのであった。
https://nana-music.com/sounds/05f66907
↑前回のこの歌旅(今回の歌旅の後の出来事)を含め、実に濃い旅の日であった。
≪動画製作について≫🎥
当初は動画編集など考えずに写真や動画を撮っていたけど、歌旅を終えた後に創作意欲が湧いてきていざ挑戦。
テーマとしては、「映画『ナビィの恋』の世界観を名嘉穆稔の作品によって表現し、本楽曲と融合させることで一つの循環した世界を構築する」というもの。
まず、この日に撮り溜めた素材で動画製作を開始する。なお、使用する画像・動画はもちろん全て私が撮影したもので、動画制作時に切り取りや色調調整を行っている。
美術館に展示されていた畳12枚分の大作『大礁円環』という作品が沖縄の春夏秋冬の風を表現していたので、これをメインに動画を作成していたのだけど、いざ完成してみるとやや閉塞感があるというか不気味な感じが出てしまってボツ。版画作品自体は迫力もあって素晴らしいよ、もちろん。
で、2度目の製作の際、1度目では版画や絵画のみの構成だったのを、美術館の展望台から空を仰いだ動画を差し込み解放感を出す事を思いつき後半は三次元構成にする。
動画の後半にボクネン美術館の赤瓦屋根から宮沢氏のカフェ「みやんち」の赤瓦屋根と月桃の花に繋ぎ、最後に『空の歌』で締める。その展開は、先に述べたテーマに則したもの。
一通りの構成が出来たところで、歌旅時に撮った写真に物足りなさを感じ、再びボクネン美術館を訪れて今度は動画製作を意識して再撮影。特に琉球美人画はもっと綺麗になるよう工夫。額縁に反射する照明が写り込んではいるけど、私のオリジナル画像にこだわるならまぁしゃあない。
今回の動画製作では、前回の動画製作の時よりもさらに多くの機能を使用してみようと取り組む。切り取った作品画像の背景をベージュにしたのは穆稔作品の額縁の再現のつもり。特に琉球美人画は動きのある構成にしたかったので、動画アプリの機能をもって試行錯誤を始める。
そうして琉球美人画の構成を完成させたが、やはりまだ足りない。何が足りないのか、私は何を表現したいのか考えていた時に「はっ」と気が付いた。あぁ私はあの『ノエビア』のCMを琉球美人画で再現したいのだ、と。
https://youtu.be/kf_VIbe6yZw
↑20世紀最後の芸術的CM。実力派アーティストによるカヴァーソングの起用も実に素晴らしい。
てなわけで、自身が表現したい方向性を把握できたので、2度目の作り直しを兼ねた琉球美人画の演出のブラッシュアップを行う。
動きを2重3重と重ねた事によりデータ容量をオーバーし、動画保存後にバグが多数発生し苦労する。あと、細かい動きはnanaアップ時にノイズになる。でも、その調整のおかげで、琉球美人画の演出がよりスタイリッシュになった。
とりあえず完成はしたけれど、何か大事な事を忘れているような気がしてまだ納得がいかない。そして思い出した。そうだ‼️沖縄へ向かう飛行機の中から、海面から発生する虹の動画をかつて撮ったことがあった‼️と。
沖縄の海から生まれた虹、逆に、遠い国から沖縄に届いた虹の橋として見れば、最も相応しいシチュエーションではないか‼️と新たに盛り込むことに。後半はスライドショー構成だったので動画ではなく画像にした。でもやっぱわかりにくいなぁ。肉眼だとはっきり見えたけどね。
その後日、新しくなった農連市場付近で素敵な花々に出逢い、それをまた挿入。そこから毎日、微調整を行いようやく完成。この動画製作もまた私の歌旅の新たな表現として確立したなぁ。超納得。
≪歌入れについて≫🎤
この楽曲を表現するにあたり、どこを切り取るかを模索している時のテスト歌唱が起源。その後、kanakoさんと共同で伴奏製作をする中で三部作構成を思いつき、ボツになっていた本構成を復活。
ちなみに、切り取り箇所は前回のサウンドの続きとなる中盤から後半にかけて。それにしてもまぁ、この楽曲の90秒切り取りは本当に悩ましく難しかった。
たしか、エフェクトはstageだったはず。アカペラで歌うのは、これまでの蓄積でまぁ無難に。原曲をできるだけトレースするように歌ったが、なんだか深みがない。
その理由について、前に歌った『あの海へ帰りたい』の時と同じ感覚だろうなぁと直観し、原曲よりやや遅いテンポ、nanaの録音開始のテンポで歌ってみた。すると、思いの外、情感が出て一発OK。2回目の「雪よ~」の入りがちょっとだけ早いけど、全体的にリズムキープは出来てる。
歌唱については、「うるま~」と「ウチナーに」の所の声の張りと声帯のかすれ具合が原曲にほど近く、自分でも「おお凄い」と思ったほど。あれは意識してできるもんじゃない。これまでどれだけ歌ってきたかの結果だと自分では思っている。納得。
しかしまぁ、nanaのステレオ化については振り回されたなぁ。ここまでの音質にするまでかなり時間を費やした。でも、全体的には賛成するさ。最近、エコー修正アプデもされたし。期待大。
≪演奏について≫🎸
最後の三線の部分。この頃はまだ三線をnanaで弾き始めたばかりで、自信がなく分けて録音。
ステレオ化すぐの録音にて、まず新しくなったエフェクトのチューニングに戸惑った。この時には、stageエフェクトをゼロにしてパワー値を70%くらいにするというのを見出していた。三線の乾いた音がよく表現できていると思う。
後半部分についてはこの楽曲の楽譜には載っていないので、私の耳コピ。原曲通りではないけれど、まぁ雰囲気としては上々かな。それに、シンプルにしたことで、動画のスライドショーにも合わせやすかったし。でも、実は最後に一音だけ足りないんだよね~。
前回のように三線をもう一本重ねる案もあったけど、いざやってみると伴奏がないゆえに荒が目立ったので取りやめ。まぁ一本のほうがアカペラに合わせるにはちょうど良いかな~ってことで納得。
≪最後に≫🌸🌻🍂❄️💖
宮沢氏と名嘉穆稔のエピソードを一つ。
沖縄の地元雑誌の取材にかこつけて、3泊4日の日程で高野寛氏と沖縄に来た宮沢氏。アルベルト城間と読谷の沖縄そば屋に行くと、なんと隣の姉妹店にあの『童神』の古謝美佐子が居て、さらに名嘉穆稔も居たとのこと。この5人がたまたま偶然に一つの空間に集結・再会したとは凄い巡り合わせ。
また、版画雑誌の名嘉穆稔特集のインタビュー記事において宮沢氏は、名嘉穆稔の作品が多くの人々に幅広く受け入れられる理由は、生きる為に必要な自然の豊かさに愛おしさを感じるからだと答えている。
ゆえに、物にあふれた現代の都市生活が、長い長い地球の歴史から見たらほんの一瞬の出来事なのだという事を、名嘉穆稔の作品を見た者が無意識に感じるのである、と述べている。
人の営みは変わったとしても自然の営みは何一つ変わらないという事を、私自身このサウンドで表現したかったではある。コロナ禍の混乱なんて地球の歴史、人類の歴史からしたらきっとほんの一瞬さ~って思おうさ〜。負けるな〜。チバリヨ~。👍
※トップ画像は、この日に美浜で食べた沖縄ぜんざい。ある意味、“沖縄で食う雪”みたいな〜😁
#宮沢和史 #THEBOOM #沖縄に降る雪 #ナビィの恋 #名嘉穆稔 #空の歌 #琉球美人画 #ノエビア #沖縄に恋した宮沢和史祭り
Comment
10commnets
- kanako
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- kanako
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- kanako歌も、ムービーも、キャプションも感動✨✨ 感動作だね、これ。 ご自分の「好き!」を精一杯語り唄い、表現するお姿の美しさ✨です(←これ、宮沢さんのLiveでいつも感じてることでもあります) 動画に動き流れ、色彩をものすごく感じるから、伴奏がきこえてくるみたい。 歌がとっても映えて美しい。 こんな表現の仕方があるんだなあ。すごいなあ😭😆✨✨✨ っと心からそう思いました✨✨✨✨✨✨✨
- あいラッコ☘️ログアウトしてます🙇♀️沖縄に行った気持ちになったぁぁぁ(ღ′◡︎‵)🏖 素晴らしい出来上がりになっていたよ👍 ニヤさんに 沖縄の自然が、たくさんパワーをくれているって 感じた☺️🎉⭐️☘️☀️
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- ぴょんぴょん☆彡BOOM愛いっぱいのサウンド👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻 映像も素敵に編集されてて見応えもあり😍(*ˊᗜˋ*)/ᵗᑋᵃᐢᵏ ᵞᵒᵘ* 三線もすごくよかったよー😆 旅で色んな発見もあって、ワクワクしながら見て回ったのが目に浮かぶ😁 素晴らしい🥳🥳🥳