声劇【Sea of clouds】
台本・朗読:ヒロ志、伴奏:カメさん様 #🍚❤️🔥
声劇【Sea of clouds】
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*【オリジナル伴奏 three star:カメさん様】より伴奏お借りしましたm(_ _)m
ありがとうございましたっ!!
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「今日は初物が大量だぞ!」
と船着場から威勢の良い声が轟いた。
朝日とともに希望に満ちた橙色を背に
4人家族の姉、蘭(ラン)は浜辺に駆け寄った。
父の竹青(タケオ)、母の白菊(シラギク)、妹の赤梅(アカメ)は朝支度をしている。
荷卸しされたモノは『玉菜』と呼ばれる葉の形をした花だった。
延命で縁起が良いと思われた初物に、飛び交い、群がる者は跡を絶たない。
蘭もどうしても欲しかったが、大人の勢いに混ざる事ができず、人の輪が治まった頃には葉の一部が落ちているのみだった。
__まるで暗黒郷だ……。
蘭はせめてもの葉を1枚1枚拾い、家路に着いた。
母は、蘭を見るなり「ありがとう…」と言った。
朝飯(アサハン)の御御御付け(オミオツケ)として出された玉菜の葉は格別に美味しかった。
「蘭、こっちへ来て見てみなさい。」
父は赤梅を抱き、蘭に下を見るように言った。
山の上にある蘭の家の下は村が広がっている……。
その村に綿が被さるように霧が漂泊し、その光景がまるで理想郷のようであった。
父は「初物に触れたおかげかな…とても幸せだ……。」
蘭は母を呼んだ。
〈完〉
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# こどもの日🎏
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