第二十六場 鹿鳴館5②
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第二十六場 鹿鳴館5②
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松本登喜…彩海ゆら
鍋島栄子…彩希琴璃
みつ…美桜音ひめな
池波:
「あ、そうだ…吉村さんがついぞ会われること叶わなかった三番目のお子様は?」
みつ:
「弟は札幌の農学校で、クラーク博士のもと、稲の研究をしております」
千秋:
「雪にも、寒さにも負けない、稲の品種改良を」
登喜:
「吉村さんの想いは、いまも受け継がれているのね…」
松本:
「ああ、ビショップ夫人、芸者と女学生の機嫌は、直りましたかな?」
ビショップ夫人:
「ええ」
鍋島:
「伊藤博文公、山縣有朋公、木戸孝允公、陸奥宗光公…」
ビショップ夫人:
「政府高官の奥方は、元芸者の方が大勢いらっしゃるとお話しましたところ」
鍋島:
「俄然張り切ってダンスのお稽古を(微笑む)」
ビショップ夫人:
「ええっと、日本語で、なんとイイましたっけ?」
鍋島:
「(耳打ち)玉の輿…ですわ」
ビショップ夫人:
「タマノ・コシ?」
登喜:
「盛岡もそろそろ桜が咲き始めるころかしら?」
松本:
「そうだね…」
みつ:
「南部の花は、石を割って咲きます」
鍋島:
「石を割って?」
松本:
「耐えて、耐え抜いて咲く花ほど、美しい花はない」
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