故郷の空
ウクレレ
故郷の空
- 13
- 1
- 0
故郷の空(こきょうのそら)は、スコットランド民謡のメロディに大和田建樹(鉄道唱歌などの作詞者)の詞を乗せた唱歌である。
1888年(明治21年)に、大和田建樹と奥好義の編による唱歌集『明治唱歌 第一集』中の1篇として発表された。
編集
Comin' Thro' the Rye 編集
タイトルは“Comin' Thro' the Rye”。これは「Comming Through the Rye」の方言で、「ライ麦畑で出逢うとき」などと訳される。
この歌詞はスコットランドの大詩人ロバート・バーンズによる詩で、方言が多用されている[2]。この歌詞にもいくつかのバージョン違い(とりわけ方言に関して)があり[2]、バーンズによるオリジナルを特定することは難しい[8]。
これを歌詞とした楽譜が最初に出版されたのは、1794年のJohn WatlenによるOld Scots Songsとされるが、この本は現存せず、実在に疑問もある[1]。現存する出版物では、1796年の(本になっていない)楽譜が最古で、“If a Body Meet a Body”というタイトルだった[1]。このタイトルは、歌詞の一節「Gin a body meet a body」と同じ意味である。その年のうちに出版されたThe Scots Musical Museum Vol.5に収録され、そのときには、タイトルは現在とほぼ同じ“Comin Thro' the Rye”(Cominのあとの「'」がない)になっている[3]。
原曲は、ロバート・バーンズの詩を1790年代に曲に乗せた[1]“Comin' Thro' the Rye”として知られている。しかし曲自体は伝統的なスコットランドの曲であり、“Common Frae the Town”で最初に使われ[2]、他にも多くの英語詞がある。
「故郷の空」の詞もバーンズの原曲とは大きく異なり、また他にも、いくつかの内容の異なる日本語詞がある。
1.夕空晴れて秋風吹き
月影落ちて鈴虫鳴く
思へば遠し故郷の空
ああ、我が父母いかにおはす
2.澄行く水に秋萩たれ
玉なす露は、ススキに満つ
思へば似たり、故郷の野邊
ああわが弟妹(はらから)たれと遊ぶ
誰かが誰かと(麦畑) 編集
戦後、「故郷の空」をバーンズの詩に近い形に改作したのが、詩人の大木惇夫と声楽家の伊藤武雄共作による「誰かが誰かと」である。「麦畑」とも呼ばれる。
東京藝術大学の教授だった伊藤は、当時東京大学音楽部を指導していた経緯もあって、外国の歌はもっと原語に忠実に訳すべきという考え方からバーンズの詞に近い形に戻した。
曲も、リズムが「故郷の空」のものではなく“Comin' Thro' the Rye”の「2nd Sett」に似るが、「長短短長」がさらに多い独自のリズムになっている。
誰かさんと誰かさんが 麦畑
チュッチュチュッチュしている
いいじゃないか
僕には恋人ないけれど
いつかは誰かさんと 麦畑
<引用:ザ・ドリフターズ『誰かさんと誰かさん』一番の歌詞
Comment
No Comments Yet.