【一人声劇】そうして彼は穏やかに笑った【台本】

朗読者【】

写真館なんて来たことないだろう？はは 当時はフィルムカメラなんかが置いてあってね ここに来る人はみんな物珍しくて おそるおそる触っていたよ それは、少し高価なものだったんだ あの頃は今に比べたら長い時間同じ姿勢で じっとしていないといけなかったから 格好つけた表情で、みな必死でねぇ …もしかしたら それが遺影になるかもしれないから、と… んー、あったあった、これかな 思い出すよ ちょうどそこだ 君の立っているところに、直立不動で 終わったよ、と声をかけたら ほっと一息ついて笑って その笑顔が、最期だった 彼は足の悪い私の代わりに、戦地に赴いたんだよ 記録係をしていた私は写真を撮ることが役目だった 彼は最後の被写体だったんだ 遺体は…残らなかったらしいね… そのフィルム、持っていきなさい カメラの勉強をしてるなら 自分の手で現像もできるだろう？ その時はじめて、どんな顔してたか見てごらん きっと、君に似たとても凛々しい顔立ちの青年が 写っているはずだよ お久しぶりです。みたにです。 まず、四ノ宮りゐちゃん。 旅立ちや、別れを想像させる、哀愁を帯びたピアノの音色をありがとうございます。 あなたの音色はいつだって美しい。 カメラのお話をいつか書きたいと思っていました。 現代の時間軸で考えてしまうと、カメラの歴史とズレます。 フィルムカメラがその昔高価で大切なもので、戦争の際それで記録する人がいて、そこでの現代にもフィルムが受け継がれる、そんな世界観だと思ってください。 興味持たれた方だけ、よろしくお願いします。 台本も250本目です。 私の長い年月が詰まってます。 たまに投稿を覗いてみてやってください。 いつもありがとうございます。 #四ノ宮りゐオリジナル #声劇 #台本 #1人声劇 #mitagraph