アスランの縦笛
台本:和月 読み手:
アスランの縦笛
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オンジャス、どーも和月です。
今回は珍しく朗読台本風の文を書いてみました。
小説本の裏にある内容紹介みたいな雰囲気だと思って頂ければ。
是非いろんな方に読んで貰えれば、と思います。
四ノ宮りゐ様の素敵なサウンドをBGMとしてお借りしました。
台本を利用される際はそちらのサウンドにも是非、拍手やコメントの方をお願い致します。
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木々の葉は落ち、初雪が降るまで
あと幾許かの夜を残すだけとなった季節。
君の『声』は聴こえなくなった。
闇が迫り、太陽が顔を隠そうとする黄昏時。
その街には無数の笛の音が響き渡る。
住人達は一日に一度だけ訪れるその刻を
ある者は嘆くように、ある者は祈るように
その日限りの旋律と共に過ごすという。
それは言葉を持たない彼らの『声』。
互いの顔を知らない彼らを繋ぐ唯一の言語。
一日に一度だけ許された、自己の解放。
その日、森での狩りを終えた「僕」は
森の奥から響く奇妙な音を耳にした。
鳥の囀りとも獣の咆哮とも違うその音は
まだ日の高い時間に耳にする事は無い筈の、
だが耳に馴染んだ、空へと抜けるような『声』。
音を辿った先にいた一人の少年は、
灰を振り撒いたように燻んだ色の髪を靡かせ、
繊細かつ力強く、不恰好な笛を吹いていた。
森が燃えるように紅く染まる季節。
僕らは出逢った。
『アスランの縦笛』
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