灰色の朝
読み手 台本 きりん
灰色の朝
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一人用声劇の台本です。元々140字小説で書いたものを書き直したので台本らしくないかもしれません。
初投稿のため、不備等がありましたらコメントなどでご連絡のほどよろしくお願いします。
【声劇台本】
高い高い青空、小さく、背の低いぐらつく視界。後ろからは在りし日の家族の団欒の声、僕はそのままベランダからふらりと…そこで目が覚めた。ガタン、と揺らしたベッドは何事も無かったかのように暖かい。
なんとなしに窓を開けると、肌がひりつくほど外は寒かった。
もしも。ここまで世界に愛着が湧いてしまう前に、去ってしまえていたならば。失って痛むほどのものができる前だったなら。不慮の事故ですむほどあっさり飛べたなら。
…なんて馬鹿げたことを考えていた。
ベランダのヘリにぐったりと体を預ける。コンクリートの冷たさがじわじわ蝕んで、ゆっくり強ばっていく。
世界の輪郭がゆるゆる色づく。泣きたくなるような、そんな感傷に消費されきったような景色だった。
もう朝か、明けない夜はないんだな。それでも頭は鉛色で、目を伏せる度に世界には影が落ちた。
#声劇 #台本 #声劇台本 #声劇用台本 #暗い #初投稿
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1commnets
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました