【第五人格】承認
占い師CVマリン
【第五人格】承認
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私には幼い頃から他人には見えないものが見えていた。不吉、気味が悪い、呪われている…周りと違うせいで存在を否定され行くあてもなくさまよった。それが忌み子として産まれてきた私への罰なんだと受け止めて。
温もりを感じることなく終わりのない暗闇の中を歩き続けた。
そんなある日1匹のムクドリに出会った。
まだ幼いひな鳥だろうか?木から転落し、怪我をしていた。誰にも見つけて貰えず、群れからもはぐれたのだろう。冬も近い。このまま見殺しにするなど私には出来なかった。
冷えきったからだを包み込むようにそっと抱きしめる。
「大丈夫だよ。きみはひとりじゃない」
私の差しのべた手が君の助けになればいいと願って。
その時初めて気がついた。私はこのムクドリのように誰でもいいから見つけて欲しかったんだ。周りと違う自分を誰かに愛して欲しかった。
ただ、それだけなんだ。
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