晴天前夜
☔Taurus 叶夜
晴天前夜
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__誰にも愛されないと 冷え切った心がひとつ
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世界はいつだって、ノイズに満ちている。
叶夜は、物心着いた頃から他人の心の声が聞こえる。
特に、悲しみや怒りや寂しさといった負の感情が、絶え間なく聞こえ続けている。
誰かに相談しても気味悪がられるだけだと経験則で知っていたから、誰にも言うこともなく、一人で耳を塞いで、抱え込んでいる。
この能力に気付いた最初は、周囲の人達を助けようとした。
どうしてこんな声が聴こえるようになったのかは分からないが、きっと神様が与えてくれたものなのだろう。ならば、この力を使って叶夜は周りを幸せに出来るのではないか。そうすることが、叶夜の使命なのではないか。そんな風に考えた
困っている人の声が聴こえたら、さりげなく声をかけ、話を聞き、拒絶されることもあったけどそれでも諦めなかった。
叶夜の周囲から悲しい声が聴こえなくなれば良い。そう思っていた。
だけど、叶夜は、気付かなかった。気付けなかった。
沢山の人の話を聞いて、自分に向けられた悪意も、誰かに向けられた敵意も、全て一人で抱え込んで。
そんなことをしているうちに、叶夜は少しずつ壊れていった。
心に黒い染みがぽつぽつと少しずつ広がっていくようだった。
そして、叶夜は折れた。
何もしたくなくなった。朝が来るのが嫌で仕方が無くなった。
疲れてしまったのだ。沢山の人の感情を、1人で抱え込むことに
不幸なことに、叶夜の悲しみを、苦しみを共有してくれる人は、一人もいなかった
叶夜はひとりになった。暗闇に閉じこもっていたいと願った。
何も聴きたくなかった。誰かの感情が流れ込んでくるのには、もううんざりだった。
一人ぼっちになった叶夜に、手を差し伸べてくれる人はなく。
叶夜はただ、全てを見ないように、何も聴かないように、世界を拒絶して毎日を過ごしている
その日は一日中、雨が降っていた。
放課後、なるべく誰もいない道を探し、歩く。家に辿り着くまでの最短ルートからは大きく外れていたが、雑踏の中を歩くくらいなら遠回りをした方がマシだった。
使い慣れた藍色の傘をさし、重い学生鞄が濡れるのに溜息をつきながら叶夜は歩いていた
厚く垂れ込めた雲のせいか、まだ十七時前だというのに既に空は暗かった。
車のヘッドライトが雨に反射し、キラキラ光を放っている。
雨の日は温度が高いので世界が綺麗に見える、といった話をどこかで聞いたことがあった。事実かどうか はしらないが、確かに心做しか普段より世界が澄んで見える気がする。静かな雨の日が叶夜は好きだ。
忌まわしい声も、雨音にかき消されて、世界にいるのが自分ひとりだけのように感じるから。
雨の向こうから小さく誰かの歌声が聴こえ、すぐに消えた。
このままずっとこうしていられたら、なんて願ってしまうけれど、そんな願いが叶うはずもなく叶夜は止まっていた足を再び前に、一歩を踏み出し――
――その前に、身体がふわりと浮き上がった。
一瞬の暗転の後。
叶夜は、星空の下に立っていた。
𝕋𝕠 𝕓𝕖 ℂ𝕠𝕟𝕥𝕚𝕟𝕦𝕖𝕕...
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✯ℂ𝕒𝕤𝕥 𝕄𝕖𝕤𝕤𝕒𝕘𝕖✯
はじめましての方は、はじめまして。そうでない方は、いつもお世話になっております。
この度、叶夜役を演じさせていただくことになりました、碧海(まりん)と申します。
まずは、ソロ楽曲『晴天前夜』を聞いてくださり、ありがとうございます
応募時に自由曲を探す時もそうだったのですが、なかなか「これ!」という曲が見つからず、まず曲決めにすごく手こずりました
叶夜は、「闇の中で苦しんでもがいてそれでもずっと心のどこかで光を探し続けている」そんな女の子です。でも100%"闇"ではなく、本当は0.00001%、それはそれはごくわずかだけれど光と温もりを持ち合わせている女の子だと私は考えています。
闇属性或は光属性に全振りもしくは闇と光半々といった曲はたくさんありますが、この叶夜ちゃんの絶妙な闇と光のバランスを持ち合わせた曲になかなか出会えず、すごくすごく悩みました。
今回選ばせていただいた『晴天前夜』は、曲名の通りです。これだけでは説明にならないのは承知ですが、でもこの曲名が全てを物語っていると私は思っています。
私が歌わせていただいたのは本当に最初の一部で「分厚い雲が淀んだ暗い空」を描いた部分です。公式の設定から読み取れる「今」の叶夜を表すのにぴったりの歌詞でした。
この曲には続きがあって、そこには
【僕らが望んだ上に 晴天があるのならば
分厚い雲 過ぎ去った空を いつか見たいんだ】
という歌詞があります。
叶夜のマークは☔️ですし、「今」の叶夜の心は毎日曇天だと思います。ずっと薄暗くて、寒くて、何もなくて、光を忘れてしまうくらい分厚い雲に覆われている、そんな叶夜の心にいつか、一筋の光が差し込むその日が訪れることを願って、この曲を選ばせていただきました。彼女自身も、ずっとずっと雨の中で光が差し込む雲の切れ目を探して歩いているんだと思います。
いつか、いつか「晴天」が訪れるその時を叶夜の側で見守ることができたら嬉しいなと思っております。
長くなりましたが、曲の紹介をしつつ、私の思う叶夜ちゃんを綴らせていただきました。
就任メッセージのはずなのに読み返してたらそれっぽさが全然なくて焦っています(?)
少しでも私の表現したい叶夜が皆様に伝われば幸いです!そして少しでも興味を持って下されば嬉しいです!
まだまだ叶夜についても、他のキャラクターについても知らないことがたくさんあって、キャストをやらせていただいているものの、手探りの状態です。
私自身、キャストではあるけれども、₊*̥𝙰𝚜𝚝𝚛𝚊𝚎𝚊☪︎₊*˚を応援してくださっている皆様と同じ目線にいると思っています。
この世界観に一目惚れして、あのキャラも好きだあのキャラも好きだ〜うわぁぁぁぁなんだこれ好きだ!!っていうただひたすらその気持ちに突き動かされています。
まだまだ至らぬ点もたくさんありますが、1キャストとして、最高の運営様、キャスト様と共に素敵な世界を皆様にお届けできるよう、精一杯努めさせていただきたく思っております。そしてまた、1ファンとして、オタクとして、皆様と一緒に、この₊*̥𝙰𝚜𝚝𝚛𝚊𝚎𝚊☪︎₊*˚の世界を追いかけていくことが本当に本当に楽しみです!
今後とも₊*̥𝙰𝚜𝚝𝚛𝚊𝚎𝚊☪︎₊*˚の応援よろしくお願い致します!
₊*̥┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈☪︎₊*˚
✯𝕃𝕪𝕣𝕚𝕔✯
誰もが羨むような 名前を持っていたら
ほんの少しでも 生きた心地がしたんだろうか
臆病な夜そのものだ 賢しらに星を見て 冷めた息を吐く
濁る空気に溺れてる 窮屈な喉の奥 吸い込んだ摩天楼
同調する景色 もう抑えきれぬ欲望
つま先からの信号 飛んでみろと嗤う
誰にも愛されないと 冷え切った心がひとつ
あなたが奪ったあなたのせいで いなくなっちゃった
あの子が残したメーデー 気づかなかったSOS
あなたに向かう全部が 押し寄せていたこと
✯ℂ𝕒𝕤𝕥✯
♉︎Taurus #星巫女_叶夜
☔️叶夜(cv.碧海)
https://nana-music.com/users/5927253
₊*̥素敵な伴奏をありがとうございました☪︎₊*˚
➴碧海様
https://nana-music.com/sounds/05d51278
✯𝕋𝕒𝕘✯
#Astraea #星巫女
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