【声劇】八百比丘尼の呪い
読み手: 台本:エグゼクティブソーダ
【声劇】八百比丘尼の呪い
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「うぅ…うああ…」
『…生きたいですか?』
「あん…たは…?」
『ただの比丘尼(びくに)です…
まだ、生きたいですか?』
「生きた…い…よ…でも…
助かりゃ…しねえさ…」
『命があっても、先に待つのは地獄に等しき
長い時かもしれません…
それでも…』
「うる…せぇ…な…!
構いやしねえ…!
死んだら…終わりだ…!!」
『では、生きてください…』
「え…?
あれ?俺の体…なんともねえ!」
『後20年は満足に生きられるでしょう
それより先を生きられるかは、あなた次第です』
「あんた…何者なんだ?」
『先も言った通り、ただの比丘尼です
それでは…』
「っ…!?待ってくれ!
人に命を与える尼…
八百比丘尼(やおびくに)か!?」
『そのような衆生済度(しゅじょうさいど)ではありませんよ』
「だが、あんたは病床の若狭の殿を救ったと聴いた!」
『…人魚の肉を喰らい、
不老長寿という名の呪いを背負った
ただの愚かな女です』
「それでも…!俺は助かった!
あんたからもらった命…大切にするよ!」
『私は寿命を与えただけ……
この忌々しき呪いを、
あなたに分けただけですよ』
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#炭酸水の台本 #台本
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