こっちむいてほい
🍵東田 花衣 🗝綾部 律子
こっちむいてほい
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其ノ弐〜こっちむいてほい〜
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🍵東田 花衣(CVちろの)
https://nana-music.com/users/6289696
🗝綾部 律子(CV柚葉)
https://nana-music.com/users/6804511
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🍵誰かさんと🗝誰かさんの
🍵🗝謎かけよ せんせ
🍵いの一番 畏怖と if
背伸びしてもとどかない
思わせぶり意地悪
いやっ 嫌厭嫌『🗝好き』嫌いっ
🗝ろの二番に Like 到来 『🍵とーらい!』
五七五 七五三
恥ずかしい夢見ちゃう 『🍵だめ』
だめ『🍵見ちゃ』ダメ駄目ダメ『🍵だめ』なのっ
🍵どっちどっち「ほ」の字?「れ」の字?
🗝手掛かりもうないもうないの?
苦い苦いは大人のおやつ
🍵おさげを引っぱんないで引っぱんないで
🍵子供じゃありませんよ
🗝知恵比べ
🍵🗝ほら
こっちむいてほい こっちむいてほい
🗝こっちむいてほしいのこっちむいてほい
🍵🗝こっちむいてほい こっちむいてほい
🍵こっちむいてほいったらこっちむいてねえねえ
🍵🗝こっちむいてほい こっちむいてほい
🗝すわ『🍵大変』🍵🗝事件ですせんせっ
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如月家・中庭にて
正午に近づく頃、花衣と律子は遺体が倒れていた中庭をくまなく調査していた。
「警察の調べによると、特に証拠品となるような物は無かったそうですが……」
「そうね〜、私たちが探してみる限りでも、今のところ何も見つかっていないし、困ったわ〜」
優雅におっとりと首をかたむけ頬に手を当てる律子。花衣は目を瞬かせ、そっと苦笑した。
「殺伐とした現場なのに、律子さんはお変わりないですね」
「あらそう?私、真面目にかっちりするのって、少し苦手なのよね〜。先入観に囚われないで楽にしてた方が、見えてくるものだってあるの思うの」
ふわりと一陣の風が舞い、律子の髪を揺らした。その耳に見慣れぬ西洋風の飾りが光ったのを見て、花衣は思わずため息をついた。
「律子さんは大人ですね……二つ違いだとは思えません」
「そうかしら〜?私は、花衣ちゃんのほうが凄いと思うわ」
「でも、その耳飾り、私にはとても似合わないです」
「あぁ、これ?これはねぇ、昔好きだった男の人から貰ったのよ〜」
耳に手をやり、照れくさそうに微笑む律子。花衣は、自身とは縁遠い大人びた話に、少し顔を赤らめて目を逸らした。
──と、その瞬間。花衣の視界の端に、きらりと何かが光った。
光の元は縁側の下にあるようだった。花衣は咄嗟に走り出すと、着物が汚れるのも構わず、縁側の下に潜り込んだ。
「は、花衣ちゃん?どうしちゃったの〜?」
おろおろと狼狽える律子をよそに、花衣は縁側の下で何度かもぞもぞと動くと、手に何かを掴んで戻ってきた。
「り、律子さん!これ、何かの手がかりになるかもしれないです!」
「まぁ、簪?花の細工がとても綺麗ね。それに、よく見たらこの花、如月家の家紋と同じ花なのね」
どうしてそのようなものがこんな所に。律子は目を細めて簪を見やる。繊細に作り込まれた紅い華。まるで血のように鮮やかだと思った。
「……犯人は、女性なのでしょうか」
「その線は、あると思うわ」
事件はまた新たな進展を見せた。黙りこくって手の中の簪を見つめていると、不意に肩を叩かれた。
驚いて振り返ると、そこには、如月家の長女・薫子の姿があった。
「急にごめんなさいまし。そちらの簪、見覚えがあったものでつい」
「え、これ、薫子さんのものなんですか?」
不信感を滲ませながら、花衣は恐る恐ると言った具合に尋ねる。しかし、薫子は微笑をうかべたまま首を横に振った。
「いいえ、今はわたくしのものではございません。この簪は、わたくしが女学生の頃、弟にあげたものなのです」
「まぁ、弟さんに?」
「ええ。お洒落をしてみたくて買ったのですけれど、どうにも似合わなくて。だから、弟に『好きな娘が出来たら贈りなさい』と言ってあげたのですよ」
「では、これは弟さんの奥さんのものなのですね」
「ええ、そうではないかと。お手間でなければわたくしが返して差し上げましょうか?」
微笑んで手を伸ばす薫子。律子は花衣と二人目を合わせてから、作り笑いをうかべた。
「お気持ちはありがたいのですが、何分このような所にあったものですから、少し調べさせていただきたいのです。勿論、事が済めば持ち主の方にお返しいたしますわ」
「あら、ごめんなさいまし。確かにそうですわね。義妹が犯人だとは思えないけれど、万が一の事もありますもの。お願いいたしますね、探偵さん」
「ええ、お任せ下さい」
二人は、すたすたと去っていく薫子を、笑顔を貼り付けたまま手を振って見送った。彼女がすっかり見えなくなってしまってから、花衣はそっと律子を見上げた。すると、律子は簪を握りしめて「あっ」と素っ頓狂な声をあげた。
「大変花衣ちゃん。私、薫子さんから大切なことを聞き忘れちゃったわ〜!」
「えっ、何をですか!?」
食い気味に言いよる花衣に向かって、律子は泣きそうな顔で呟いた。
「弟さんって、一体『どちらの』事を言っていたのかしら?」
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