【プロローグ】夜明け前(練習)
脚本:天渡 ジャントール:きゃなり エレオノール:
【プロローグ】夜明け前(練習)
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#メルスト寸劇部
※スマホゲーム メルクストーリアの二次創作作品になります。
禁止事項
無断転載 内容改編行為
鳥も眠る夜明け前。
暗い暗い部屋の中、ひとつのランタンが神妙な顔をした2人を薄く照らしていた。
静かに、物音を立てないように荷造りをするエレオノールと、それを離れたところで見守るジャントール。
ひとつひとつ用意した必要最低限のものを鞄にしまいながら、両親の言葉を思い出す。
「まだ身体が良くなってきたところだというのに外へ出たいだなんて...いけません。お庭で十分でしょう。焦ることはないわ、少しずつ行けるところを増やせばいいの」
「お前はあの家へ嫁ぐのだ、家柄もいい。これは断れる話ではない」
優しく言葉をかけているようでいて縛り付けておきたい母。開口一番に家のためと家のためと言う父。
病気が良くなっても自由などはない。
病気がちで寝ている時の私の世話は使用人にばかり任せて、見向きもしなかったくせに。
見舞うことすら稀だったくせに。
この暗い部屋に、1人きりにさせたくせに。
私はあなた方の人形ではない。
苦虫を噛み潰したような顔でバタン、と、鞄を閉める。
私たちは今日、この国を出て行く。
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BGM 始まり 5秒待機
エレオノール「ジャントールさん、お待たせしました」
ジャントール「いえ…忘れ物はありませんか?」1:21
エレオノール「えぇ」
ジャントール「薬は?」→1:16
エレオノール「大丈夫です」
ジャントール「それは良かった」1:13
ジャントール「繰り返すようですが、体調に少しでも変化があるようなら仰って下さい。貴女の身体が第一ですから。なるべく休みながら進みましょう、それから…」
エレオノール「ジャントールさん」
ジャントール「…なんでしょう?」1:00
エレオノール「そんなに心配なさらないで。この所、本当に身体の調子がいいの。お医者様も驚いていたくらい。それに、なんだか胸がドキドキして、ワクワクして、こんな気持ちは…生まれて初めて」
ジャントール「エレオノールさん、本当に…いいんですか?」0:44
エレオノール「ええ。貴方だから、いいえ、貴方となら私は何処へだって行ける気がするの。だから、どうかお願い。私をここから連れ出して」
ジャントール「分かりました。私も貴女の気持ちに応えます。さぁ、夜が明けないうちに、この国を出ましょう」0:26
エレオノール「えぇ、どこまでもついて行きます」
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