‥もしもし?どしたぁ?
‥寝れない?‥
子守唄歌えって?ってw
夜中だよ?‥しかたねぇな‥
『君の為のキミノウタ』
‥ほら歌ったよ
おやすみね‥
‥‥‥お前がかけてきたんだから、お前が切れよw
‥『じゃあね』しない
『またね‥』おやすみ‥
っあ、待って‥
‥今から‥行っていい?
お前を、ギュッてしたくなった
僕は彼女に会いたくて
粉雪が舞い散る中
冷え切った車を運転して
彼女の家まで急いだ‥
彼女の家の近くまでくる
すっかり静寂につつまれた住宅街
僕はスピードを落とし、静かに走る
いつもの場所に車を止め
〘ついたよ〙
とLINEを送り、エンジンを切る‥
玄関で嬉しそうに出迎えてくれる彼女の姿を想像するとニヤけてくる
白い息をまといながら、僕は早足に彼女のもとに向かった
《ピンポーン🎶》
僕が来たよと彼女に伝えるBELLの音
‥‥‥‥シーーンと澄み渡る無音の世界
スマホを確認‥
既読にならない‥
電話をかける‥
かすかに彼女の着信音が部屋から聞こえる
🎶🎶🎶
『おかけになった電話は、現在おつなぎできません‥ピーっと』
僕の前には、冷たく閉ざされたドア
既読にならないLINE
部屋の中では、
お気に入りの暖かいモコモコパジャマを着た彼女が気持ちよく寝落ちしてるのだろう‥
もう一度スマホを耳にあて
冷えて、つきの悪くなったライターで
タバコの先に火をつけ
ギュッと握った凍える指先に唇を近づけ
煙と共に息を吹きかけた
タバコの香りと白い息が無音の世界に消えていく‥
粉雪から、さらに粒が大きくなった雪を見つめながら願う‥
‥‥オキテクレ
最後まで読んでくれてありがとう
m(_ _)m
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