【1人声劇】夜明けと蛍

読み手:なち　台本:て。/BGM:Luce様

たまに、本当にたまに。 ふとここから消えてしまいたくなる時がある。 例えば、今日みたいな月が綺麗な夜。 見上げた空が高くて。 そこに浮かぶ月が遠くて。 瞳に写る星は本当に輝いていて。 自分がちっぽけに見えて仕方がないような、そんな夜。 小さい頃たくさん持っていたキラキラした夢や自分は、いつの間にか無くしてしまっていた。 私は今、空っぽで生きている。 あーあ、こんなはずじゃなかったのになあ。 私には大きな夢がある。どうしても叶えたい夢が。 大好きな仲間たちの才能に押しつぶされそうになりながら、 周りの人の白い目に気づかないフリをしながら、 必死にしがみついている夢があるけれど、 いつまで経っても芽は出ない。 そんなの、当たり前だよね。 空っぽの自分から芽なんか出るわけないよね。 このままじゃだめだって、心底そう思う。 変わらなきゃ。変わらなきゃ。 俯いた私の前を蛍が飛んでゆく。 蛍を目で追ってまた空を見上げる。 月が淡い空に溶けていく。 ああ、夜が明けていく。 #声劇 #1人声劇 #朗読 #夜明けと蛍 #コラボ歓迎 #ピアノ #Luce伴奏 疲れた心にしみわたる文章(´・ω・｀)