【声劇】泡沫スペクトラム
読み手: 「」×『徳光』台本:エグゼクティブソーダ
【声劇】泡沫スペクトラム
- 19
- 2
- 0
#炭酸水の台本 #台本
「」
『徳光』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれは…なに…?」
『美しいだろ?
数年に一度、空に現れる光…
どうして現れるのか…どうやって現れるのか…
詳しいことは何もわかってない』
「まるで…空に浮かぶ泡のよう
ふわふわと揺らめいて…ふっと消える」
『あれは…この地方では泡沫(うたかた)と呼ばれているんだ』
「うたかた…?」
『ほんの少しの間だけ現れる、儚い光の泡
君に見せたかったんだ』
「とっても綺麗ね…でも、どうして今日これが見えることを知ってたの?」
『スペクトラム』
「スペクトラム…?」
『現象が曖昧な境界を保ちながら連続すること…
あの泡沫はまさしくそうだ』
「曖昧な境界って…?」
『あれは、別の世界からやってきてると思うんだ
泡沫が現れる日は必ず”歪み”が観測される』
「その歪みが今日起こったってこと?」
『そうだ…
世界の境界すら曖昧にして継続的にやってくる光の泡…
泡沫スペクトラムだ』
「…私、そんな幻想的なものを目の当たりしているのね
ありがとう…素敵なものを見せてくれて」
『…あぁ』
Comment
No Comments Yet.