④
りりぞう
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(🌼)「ふふ、美味しい?」
小鳥は用意された餌を啄んでいる。
私はこの子の世話をする時だけ、縛られた心を解放することが出来た。
(🌼)「…あなたもこのカゴの中で閉じ込められているのね。自由に外を飛び回ってみたいでしょう?」
指に乗せてそう話しかけた時、小鳥は窓の隙間から飛び立っていってしまった。その時、スノウ様の小鳥を逃がしてしまったという思いよりも羨ましいという感情が沸き起こってきた。
私もこの大空に羽ばたきたい。…翼がなくたって、心があれば大丈夫。
そう思ってからはもう迷わなかった。
御屋敷を飛び出して、敷地内の森を抜けた。靴を脱いで、素足で土や草のあたたかさを感じた。目的地の見つからないまま、走って、走って。すごく楽しかった。生まれて初めて思い切り笑った。
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