叶夜/セリフ
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叶夜/セリフ
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◇叶夜
悲しい。寂しい。辛い。苦しい。痛い。怖い。要らない。消えたい。嫌い。死にたい。
叶夜の中には、日常的にそんな声が流れ込んでくる。聴きたくないと願っても、止んで欲しいと祈っても、決して止むことはない。
それでも力になろうとした。悲しい声が、苦しい声が、少しでも聴こえなくなるように。
だけど、いくら叶夜が力になろうとしたところで、声が無くなることはなかった。
――嫌だ。聴きたくない。これ以上、叶夜は何も聴きたくない。
……煩い。煩い、煩い煩い煩いっ!!!!
叶夜の抱え込んだ痛みを悲しみを苦しみを、掬ってくれる人はいなかった。叶夜の手を取って、救い出してくれる人はいなかった。
……ならば。もう、何も、見ないでおこうと思った。すべての声を、聴こえないふりをして、心を閉ざして生きていこうと思った。
他人から与えられたすべてを拒絶すれば、少しは楽になれる。そう信じていたかった。
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