【声劇】多重人格
自分:
【声劇】多重人格
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私は腕がない。
僕は耳がない。
小生は舌がない。
自分には全てあるのに、記憶が無い。
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それは短い記憶の中に残る 、
ほんの数秒のこと。
車のライトのような
危険で眩しい光の中にあって、
腕のない私には決して届かないもの。
それは思い出のように巡る、
ほんの数分のこと。
街灯のライトのような
寂しくて泣きそうな光の中にあって、
耳のない僕には決して聞こえないもの。
それは顔を歪めるほどに醜い、
ほんの数時間のこと。
鬼火のような 、
妖しく(あや)恍惚(こうこつ)とした
光の中にあって、
舌のない 小生(しょうせい)には
決して愛してはいけないもの。
人が1人。
けれど、果たして魂はひとつなのか。
それは、希望がある未来のこと。
全てを忘れた光の中にあって、
記憶のない自分には、
到底理解できないもの。
混濁(こんだく)する刹那の変化。
ああ、また変わってしまう。
次は誰に絶望が降り注ぐのか。
四肢(しし)の硬直が始まれば、
意識はまた光の中に帰っていく。
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3commnets
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