ぼかろころしあむ
髭切(cv.雪架) × 膝丸(cv.なのふく)
ぼかろころしあむ
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24.ぼかろころしあむ
「おや?この箱はなんだろう」
髭切と膝丸がその箱を見つけたのは万屋へのお使いの帰りだった。道の端の草むらの陰に隠すように置かれていた箱には"ご自由にお持ち帰りください"という紙が横に付けられていた。
「これは……組木の秘密箱だろうか」
「そう見えるねぇ、これお土産で持って帰ったら喜んでくれるかな?」
「兄者、落ちているものを土産になど……」
「でもこの箱綺麗だし、開けるのも楽しそうだよ。弟もそう思わない?」
たしかにその箱は道端に置いてあるにしては美しく、どこかの姫のお気に入りの箱だと言われれば納得してしまうだろう。
「それに持って帰っていいみたいだし、主も喜びそうだよ?」
「いやしかし、いや……あ、兄者がそこまで言うなら……」
膝丸が髭切の押しに負けかけたところで、背後から声をかける者があった。
「その箱に触れてはならん!」
どこかの寺の住職と見える老人は髭切の手から箱を叩き落とした。
「この箱は呪いの箱。お前達男に害はなくとも、女子供には害しかない物じゃ」
「ありゃりゃ、呪いの箱だったんだねぇ」
老人は箱を拾って風呂敷に包み、その上から御札を貼る。
「この箱はコトリバコ。女と子供だけに呪いを発動させ、この箱を見るだけで徐々に内臓が引きちぎられ、そのまま死ぬと言われておる」
「そ、それは……危なかったな兄者…」
「主に渡しちゃうとこだったねぇ」
「主とは女主人様か?ならば尚更開けないうちで良かった。この箱はわしが寺まで持って帰って慎重に処分する。お前達も早く帰れ」
ありがとう助かったよ、と髭切が住職に振ろうとした手を膝丸が引く。
その後も寄り道を繰り返し、2振が本丸に帰還したのが遅れたのは別の話。
ざんざん ぎゃりぎゃり ばるばるーらる
#おーるはろーずいぶ
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