夜な夜な夜な
堀川国広(cv.紫陽花) × 山姥切国広(cv.Chisa)
夜な夜な夜な
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22.夜な夜な夜な
「あれ、兄弟?」「……兄弟?」
堀川国広と山姥切国広は廊下で居合わせ、そして首を傾げる。
「兄弟、さっき鍛錬場に居なかった?兼さんと加州さんの鍛錬を見てたよね?」
「いや、鍛錬場には行ってない。それより兄弟こそ、さっき厨にいただろう。歌仙と大根を桂剥きにしていたじゃないか」
「ええと…今日僕は厨には行ってないけど」
2人はさらに首を傾げる。たしかに兄弟の姿だった……はずだ。しかし、その兄弟はその場にはいなかったと言う。
「見間違えたのかも。気にしないで!兄弟」
「あ、ああ。俺も誰かと見間違えたのかもしれない」
きっと見間違えたか、あるいは新しく鍛刀された兄弟が連結前に本丸を歩いていただけだ。
2振はそう考えることにして、その場を離れた。
しかし次の日になると、他の刀剣からも目撃情報が出て来た。その次の日にも、そのまた次の日にも、同時刻に山姥切国広と堀川国広が2振ずつ目撃されるのだ。
ある日、山姥切国広は真冬の庭に出ていた堀川国広に声をかけた。
「兄弟?そんなところで何をしているんだ」
「……」
堀川国広は無言のまま、真顔で山姥切国広の背後を指した。山姥切国広はその指に沿って視線を己の背後に向ける。
そこに居たのは驚いた顔をした堀川国広と、こちらを指差す山姥切国広だった。
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
狂気的な笑い声が響き、
響き、
響き
あまりに耳障りなその笑い声に耳を塞ぎ、目を閉じ、蹲る。
耳を覆う手を外し目を開いた時には、山姥切国広も堀川国広も1振だけになっていた。
あのこみたい あのこみたい
あのこみたい
#おーるはろーずいぶ
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