リンネ
宗三左文字(cv.星桜) × 骨喰藤四郎(cv.那岐)
リンネ
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12.リンネ
現代遠征に派遣された骨喰藤四郎と宗三左文字は移動のために電車に乗っていた。
ガタンゴトン ガタンゴトン
「……僕、これに乗るの初めてなんですけど、こんなに薄暗いものなんですねぇ」
「いや、以前の遠征で兄弟と乗った時は夜でも車内は明るかった…はずだ」
「やはりそうですか。何やら邪悪な気も感じますし、困りましたねぇ……」
時間遡行軍や検非違使とは異なる気配を、2振は先ほどから感じていた。乗客の人間たちは皆顔色が悪く、下を俯き、この世の者ではないとすら思う。
「次はぁ〜活け造りぃ〜活け造りですぅ〜」
悲鳴
車両の後方から悲鳴が聞こえ、振り向くと男がバラバラになっていた。
2振は刀を取り出した。否、取り出せない。全身が硬直し、指一本動かすことも叶わない。あんなに警戒していたのに、声を発することさえ叶わない。
「次はぁぁぁああ〜〜〜えぐり出しぃいい〜〜〜〜えぐり出しですぅぅぅうう〜〜」
次は女がスプーンで目を抉り出されている。
助けなければ、と骨喰藤四郎は硬くて重い体をなんとか動かそうと身を捩ろうとし、宗三左文字は他に敵がいないか索敵しようと目を動かそうとする。しかし体はもちろん、今度は眼球まで動かない。
「次はぁぁぁぁあああああぁぁああああああああ挽肉ぅぅぅぅぅうううううう挽肉ですぅぅぅぅぅうううぅぅぅうう」
間延びした声が頭の中で響き、ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと、大きな刃物を持った小人が近づいてくる。
2振の目の前で止まり、こちらを見て、刃物を________
2振はそこで目を覚ました。駅のホームにはちょうど電車が到着しており、乗客が乗り込むところだった。
夢、だったのだろうか。
冷汗が引かないまま、2振は慌てて電車に乗り込んだ。
帰りの電車はどこにも無いわ
#おーるはろーずいぶ
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