【声劇台本】第十三話:独白とセンチメンタル【インチキ霊能者召裏の事件簿】
台本:ばね ◆: ◇:
【声劇台本】第十三話:独白とセンチメンタル【インチキ霊能者召裏の事件簿】
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なぜ彼女が悪霊と化したのか。
正直一人声劇でも良いです(主役一言という常識外れ)
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◆召裏(めしうら):株式会社心霊コンサル代表にして(自称)稀代の霊能力者。
◇霊:アパートに取り憑いた女の悪霊
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◇私ね、小さい頃に両親が死んじゃって
親戚中をたらい回しにされてたの。
借金もあったらしくて、「死んでも迷惑をかける奴らだ」って
おじさんおばさんたちが陰口叩くのをしょっちゅう聞いてた。
些細なことで暴力を振るわれたりもした。
そんなだから、人の顔色伺っておどおどしてる陰気な子供だった。
ボサボサの髪の隙間から、上目遣いでみんなの世界を覗いてる。
今思えば、薄気味悪い子だったんだろうなー。
◆それは…辛かったな。
◇わかった様なこと言わないで。
そんな状況からなんとか抜け出したくて、いつも足掻いてた。
幸い勉強はできたから、お金のかからない公立の良い学校へ行って
大学へ入って、就職して、いつか人並みに暮らしたいって。
でもダメだった。
どこへ行っても私を待ってるのは嘲る様な視線と言葉の数々。
なんとか大学は出られたけど、就活は失敗。
アルバイトでなんとか食いつないではいるけど
自分の生きてる意味がわからない。
そんな時であったのがあの人だった。
彼は、人生で初めて出会った私を私という人間として見てくれる人だった。
彼の前では、人間でいられる気がしてた。
私の目を見て微笑む彼の瞳が好きだった。
彼に膝枕をしながら、夢について聞くのが好きだった。
ご飯を作っているときに、彼が後ろから抱きしめてくるのが好きだった。
彼の髪も、指も、匂いも、全てが好きだった。
愛していた。
でも、彼はそうじゃなかった。
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#声劇 #朗読 #台本 #インチキ #霊能力者 #掛け合い
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